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頭痛やめまい、実は「首の不調」が関係することも? 見落としたくない体のサイン

2026年06月16日 公開

吉原潔(整形外科専門医)

頭痛

頭痛やめまい、体のだるさ......首の痛みやコリと一緒にこのような不調が出ることがあります。首に問題があると、なぜ不調が発生するのでしょうか? 整形外科専門医・吉原潔氏による書籍『首の痛み・コリ・しびれ 自力でできるリセット法』より解説します。

※本稿は、吉原潔著『首の痛み・コリ・しびれ 自力でできるリセット法』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

不調の原因が首にある場合も

首に痛みや違和感があるとき、以下の不調が一緒に出ることがあります。

・頭痛
・めまい
・耳鳴り
・耳閉感(耳が詰まったような感覚)
・目の疲れや、視界のぼやけ(視覚異常)
・腰痛
・体のだるさ(倦怠感)
・不眠
・手指のしびれや脱力感
・握力の低下(瓶やペットボトルの蓋が開けられない、タオルが絞れないなど)
・細かい動作の障害(ボタンが留めにくい、箸が使いにくいなど)
・動悸や息切れ
・気分の落ち込み

もちろん、これらの症状が「首さえ治せば、全部すっきり消える」というわけではありません。首の状態が影響している場合もありますが、不良姿勢や筋肉のこわばり、自律神経の乱れ、生活習慣、さらには耳鼻科・内科で診てもらう必要がある病気が関係していることもあるからです。

そのため、原因を見つける近道は、必要に応じて他の診療科でのチェックを受けることです。いろいろな症状が重なってつらいときは、「首だけが原因」と決めつけず、幅広い視点で体を見直していくことが大切です。

私の患者さんでよく見られるのは、首の痛みやコリと同時に、頭痛やめまいを訴えて受診されるケースです。

「首が痛いだけでなく、頭痛まで出てきた」「めまいが続くので一度診てもらいたい」。

そんな訴えで来院されます。

これらの症状は命に関わるものではないことが多いとはいえ、程度によっては日常生活に支障が出ることもあり、生活の質が大きく下がってしまうのも事実です。

だからこそ、気になる症状が重なったときには、早めに受診することが大切です。

 

自律神経の乱れは「首」から始まる

首に問題があると、なぜこれほど多くの不調が発生するのでしょうか?

キーワードになるのは、「自律神経」です。

自律神経とは、私たちが意識しなくても体の働きを調整してくれている神経です。心臓の鼓動、呼吸、体温の調節、胃腸の働きなど、生命を維持するための機能を24時間休むことなくコントロールしています。首まわりには自律神経に関わる重要な神経が集まっているので、首の状態が自律神経のバランスに影響を与えることがあります。

自律神経には、2つの種類があります。

・「がんばるモード」の交感神経。仕事や運動などで体を活発に動かすときに働く
・「休むモード」の副交感神経。休息や回復のときに働く

自律神経が正常に働いている場合、交感神経と副交感神経は順番に切り替わります。

例えば、日中は交感神経が優位になり、心臓の鼓動や血圧が活動に合わせて上がり、体や頭がしっかり動くようにしてくれます。

夜になると副交感神経が優位になり、心拍や血圧が落ち着いて体がリラックス状態になります。リラックスできれば当然、ぐっすり眠れます。そうすれば、筋肉や関節の疲れが癒され、心の緊張もやわらぎ、翌朝はすっきり目覚められるはずです。

ところが、首に不調があると、自律神経のバランスが乱れ、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにいかなくなります。その結果、体のリズムがくずれて、めまいや耳鳴りのほか、不眠や動悸など、先ほどご紹介したような症状が出てしまうのです。

しかし問題は、ここで終わりません。

首の調子が悪くなると、めまいや耳鳴りといった症状が出ることがある→それらの症状が不安や緊張を招く→結果として、首のコリや痛みをさらに強めてしまう─。

このように、首の不調とめまいや耳鳴りが互いに影響し合って、悪循環に陥ってしまうことがあるのです。

少し説明を加えると、首に痛みやコリがあると、その刺激によって自律神経のバランスが乱れやすくなり、同時に首まわりの血流も低下します。

すると、脳は「体に負担がかかっている」と判断し、体を守るために交感神経を優位にします。心拍や血圧が上がり、筋肉が緊張しやすくなる──。いわば、体がずっと緊張モードのままになるのです。

本来であれば、休む時間には副交感神経が働き、体をリラックスさせるはずですが、緊張モードが続いていると、うまく切り替わりません。そのため、眠りが浅くなり、疲れも取れにくくなり、首の痛みやコリも回復しづらくなってしまいます。

このように、首の不調→自律神経の乱れ→休息不足→回復できずにまた首がつらい、という悪循環が続いてしまうことがあるのです。

「首のコリや痛みはよくあることだし、そのうち落ち着くだろう」と様子を見ていても、つらい状態が続くと悪循環から抜け出しにくくなることがあります。

症状が長く続くことを心配して受診される方は多いのですが、改善のきっかけをつかめないまま悩んでいるというケースも少なくありません。

 

プロフィール

吉原潔(よしはら・きよし)

整形外科専門医

整形外科専門医・フィットネストレーナー。医学博士。アレックス脊椎クリニック名誉院長。日本医科大学卒業後、同大整形外科入局。帝京大学医学部附属溝口病院整形外科講師、三軒茶屋第一病院整形外科部長、アレックス脊椎クリニック院長を経て、2024年より現職。日本整形外科学会専門医、日整会内視鏡下手術・技術認定医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会( NESTA)公認パーソナルフィットネストレーナー、食生活アドバイザー。運動療法や筋力トレーニングにも精通した医師として、多角的な診療に定評がある。トレーナーとしての信条は「ケガをしないトレーニング方法を指導すること」。50歳を過ぎてから筋トレでメタボ体型を脱し、ボディコンテストに出場、受賞歴多数。著書に『ドクターズスクワット 医者が考案した「30秒で運動不足を解消する方法」』『疲れない、回復できる、速く・長く歩ける 体力低下を食い止める30秒習慣』(ともにアスコム)などがある。

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