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有害な環境は人をネガティブにする 脱出するための7つの行動

チェイス・ヒル/スコット・シャープ 著、山口真果 訳

「考えすぎてしまうが~」

有害な人間関係や職場環境は、知らぬ間に心をむしばむ悪影響が存在するという。自分の状況を見直し、前向きな行動へ変える方法を紹介する。

※本稿は、チェイス・ヒル、スコット・シャープ著、山口真果訳『「考えすぎてしまう」が一瞬で消える法』(SBクリエイティブ)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

有害性を排除する

ネガティブ思考は、生き方と関わりがあります。ポジティブな人のそばにいるとポジティブ思考を成長させやすくなるのです。ですが、ネガティブな環境や有害な人のそばにいると、ネガティブな思考と感情が育ちやすくなります。

これといった理由もないのに、ただ座っているだけで緊張を感じることはありませんか?

ときにはそれを受け入れて、「しかたがない、私は緊張しやすいんだ。リラックスしているなんて私らしくない」と思うこともあるかもしれません。

ですがこれは、人生における有害な物事に慣れすぎているのが原因だという場合があります。そして、注意を払っていなければ、有害性はどんなところからも、どんな物事からも生じる可能性があるのです。

誰かと有害な関係を持っていたり、有害な家主がいたり、有害な雇用主のもとで働いていたり、有害な人が親友だったりするかもしれません。

何であれ、自分が有害な状況に身を置いているのかどうかを確認し、もしそうならその環境から抜け出そうと努力する必要があります。

人生から有害性を取り除く7つの行動を紹介します。

 

1 自分の状況を分析する

自分の状況を分析して、有害性の根本原因を探ります。

たとえば、最後におだやかな気持ちになったのはいつだったか考えてみましょう。たとえ一瞬でもかまいません。

実家にいるときですか?
今この瞬間のことを考えているときですか?
あなたが幸せでいられる場所はどこでしょう?
内面の調和とはどのようなものだと考えますか?

次に、今この瞬間、この状況で、心の平穏を感じるために何が欠けているのかを突き止めます。ネガティブな気持ちが、一緒に暮らしている人から生まれているなら、この人の何がそれほどネガティブなのか、そこから自由になるにはどうすればいいのかを考えます。

家主に対して緊張していたりストレスを感じたりしているためにネガティブな気持ちになるなら、その関係性から自由になる方法を検討しましょう。

有害性がどのようなものであれ、今すぐ行動しなければなりません。ぐずぐずしていたらもっと悩みが大きくなるだけです。

 

2 ネガティブをポジティブに置き換える

生活においてどのような有害な状況があるかがわかったら、そのネガティブな気持ちをポジティブな気持ちに置き換えます。

たとえば、家でストレスを感じていて、和らげることができないと思ったら、毎日外でランニングや喜びを感じることをしましょう。喜びを感じることとは、大好きなコーヒーを買うこと、お気に入りの公園やビーチに行くことなどです。

人間関係が有害なら、オンラインでより多くの人に会ってみるべきです。人に会うのが怖いと感じる場合は、ポジティブな影響をもたらす人と会うことで、自分という人間やこれからなりたい姿に対して満ち足りた気持ちになれるのだということを思い出してください。

コップに水が「半分しか入っていない」ではなく、「半分も入っている」と考えるようにしましょう。
もっともストレスを感じるのは職場かもしれません。その場合、別の仕事を探すか、仕事が終わった後に満足感を得られるような趣味に取り組みましょう。

 

3 視点を変える

小さくてもいいので、生活の中でポジティブなことを見つけましょう。友人があなたの夢を応援してくれないとき、自己中心的で一緒にいて疲れるような人ばかりがまわりにいるとき、ポジティブな要素とは、あなた自身は自己中心的ではないということです。

自分が軽視されていると思うということは、あなたには自分が思っている以上に共感力があり、他の人の気持ちになって考えることができるということなのです。

朝、目を覚ましたら、新たな1日が始まったこと、そして病気で入院しているわけではないことに感謝しましょう。おいしいものを食べたら、今日何かを口にできたことに感謝しましょう。

私たちは、多くの人が自分よりずっと苦しんでいることを忘れがちです。受けている恩恵を忘れ、いろいろなことを当たり前だと思い込んでいます。

本書を買いたいと思い、実際に買うだけのお金があったことに感謝しましょう。あなたは、学びたい、いろいろな変化を起こしたいと思っているということです。
視点を変えて、感謝にあふれた人生を送りましょう。そういうことができない人もいるのですから。

 

4 夢中になれることとどうしても手に入れたいものを見つける

多くの人がネガティブ思考におちいる理由は、望みどおりの人生、愛する人生を生きていないからです。

給料がいいから今の仕事を選んだ場合、情熱にあふれた人生を生きているとは言えません。他の人は苦手なようだけれど自分は得意なことについて考えてみてください。

書くことが得意ですか?
コミュニケーション能力がありますか?
お菓子を焼いたり料理をしたりするのが上手ですか?

得意なことが、行動を始めるべき方向を示しています。夢中になれることを見つけ、さらに上達しようとすることで、セルフコンパッション(自分を大事に思うこと)の種がまかれます。

幸せをより感じ、結果的に有害な物事を排除できます。自分が好きなことを仕事にすれば、他のことは何も気になりません。仕事が楽しみになるからです。

 

5 ちょくちょく自分にごほうびをあげる

ドーパミンはエンドルフィンを放出して幸福感をもたらす脳内の神経伝達物質です。ほんの些細なことでも自分にごほうびをあげることは大切です。ドーパミンが放出されるからです。
朝、目を覚ましてありがたさを感じたら、その気持ちを認識して、自分自身にごほうびの言葉をかけましょう。

「よくやった、感謝を感じながら目を覚ますことができたぞ……この練習を続けよう」などのシンプルなものでいいのです。

このひとりごとがドーパミンの量を増やし、それがポジティブな気持ちという健康的な習慣を作り上げます。

そして、休憩を楽しみましょう。これは、自分にごほうびをあげるための簡単かつお金のかからない方法です。あまりにストレスが多いとき、コントロールを失ってしまいそうだと感じたときは、マインドフルな時間をとって幸せな気持ちや記憶について考え、他には何も存在していない、あるいは気にならないかのように、その瞬間に集中しましょう。

他のことはすべて後回しにしてかまいません。

何より大切なのは、この世界で自分が幸せでいることなのですから。幸せなら、世界はあなたとともにほほえんでいます。

自然の中で散歩をする習慣をつけましょう。そうすれば、脳は風景を眺めて、自然のにおいをかぎ、癒しの感覚を取り込むことができます。

 

6 間違えても気にしない

今すぐ変化が起きるわけではないことを覚えておきましょう。多くの人にとって変化とはゆっくりやってくるもので、実践すればするほど上手になります。変化とは、こちらが望むほど気づきやすくないことがあります。

たとえば、私はネガティブで、これ以上は上を目指せないと考えることがありました。しかし、人生とまわりの環境を変え始めました。身体にいいものを食べ、毎日軽い散歩に出かけ、1日中自分の思考パターンに気を配るようにしたのです。

ネガティブ思考が頭に浮かぶと、そのことを認識し、事実の確認と熟考を行って自分の考えを疑うようにしました。当時の状況は自分の助けにならず、これ以上よくならないと感じたため、引っ越しして自分だけの部屋を借り、あらためて「家」の感覚を取り戻しました。

最初こそ何も気づきませんでしたが、しばらくしてから以前住んでいた場所に戻り、当時のルームメイトに会いました。

彼らは今までと同じパターンの生活を続けていました。しかし、私はあることに気づきました。
それは、私が強くなり、今ではもう彼らと同居していたときのように物事を考えていないということです。

このように、変化は簡単には起きないし気づかないこともありますが、必ず起こります。
うまくいかない日は誰にでもあるものです。だからそういう日には、ただ我慢強くなり、1日、2日どころか3日も連続で嫌なことが起きても別にいいのだと自分に言い聞かせましょう。

過ちは起きるものだし、失敗を通じてこそ前に進めるのだということを受け入れてください。
自分の健全な習慣から学ぶものはなくとも、過ちからは学ぶことができます。その都度新しいことを教えてくれ、健全な習慣を身につけることの大切さを思い出させてくれるのです。

 

7 有害な思考をポジティブな行動に変える

有害な思考は、それが自分に向けられているときでも他者に向けられているときでも、非常に大きいダメージ源となります。

人生に価値はひとつももたらさず、自己疑念、ネガティブなひとりごと、下向きのネガティブスパイラルを生みます。

しかし、いいニュースもあります。自信と自己肯定感を高めると、自然と有害な思考の数が減っていきます。

それまでの間、ネガティブな思考を無駄にしないようにしましょう。こうした思考はポジティブな変化の足がかりにできるのですから。

これにはコツがあります。ネガティブ思考をポジティブなひとりごとに混ぜることです。

プロフィール

チェイス・ヒル

ライフ・コーチング

ライフ・コーチング、ストレス・マネジメント、社会的相互作用の専門家。本書『How to Stop Overthinking(「考えすぎてしまう」が一瞬で消える法)』で米国および英国のアマゾンでベストセラー第1位を獲得。心理学の研究に10年以上を費やし、特に現代社会における心の持ち方や感情のレジリエンス、自己主張と境界設定に焦点を当てている。

山口真果(やまぐち・まいか)

翻訳家

ヨーク大学政治学部卒。翻訳作品に『書くことのメディア史』(古屋美登里共訳、亜紀書房)、『Scream! 絶叫コレクション 不気味な叫び』所収トーニャ・ハーリー「ショーウィンドウの女の子」、『Scream! 絶叫コレクション 消えない叫び』所収リサ・モートン「サメがいた夏」(共に三辺律子監訳、理論社)がある。

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