
ビジネス書を中心に、1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。これまで約4,100冊の書籍をご紹介してきました。
本記事ではフライヤー編集部が、特にワンランク上のビジネスパーソンに読んでほしい本をピックアップ。今回は「習慣でつくる、最高の一年」をテーマに、選りすぐりの3冊をお届けします。

新しい年を迎え、「今年こそ良い習慣を身につけたい」と考える方も少なくないでしょう。その出発点としてぜひ手に取っていただきたいのが、『習慣超大全』(BJ・フォッグ、須川綾子〔訳〕/ダイヤモンド社)です。
著者のBJ・フォッグ氏は行動科学の専門家であり、スタンフォード大学行動デザイン研究所の創設者。シリコンバレーのプロダクト開発者たちに「人が行動を起こすメカニズム」を教えてきた、習慣形成の第一人者です。
本書では、フォッグ氏が蓄積してきた知見が体系的に紹介されています。中でも注目したいのが、氏が提唱する「タイニー・ハビット(小さな習慣)」というメソッド。習慣化したい行動を極めて小さく分解し、日常のルーティンに結びつけることで、無理なく継続できる仕組みをつくるものです。
タイニー・ハビットの例として挙げられているのは、著者が実際に習慣化したという「トイレから出るたびに腕立て伏せを2回する」という行動。すでに習慣化している日課(トイレから出る)に小さい行動(腕立て伏せ)を結びつけることで、無理なく習慣化できたそうです。こうして習慣づければ、やがて腕立て伏せの回数は3回、4回、5回......と増えていくでしょうし、腕立て伏せを続けていることが自信となり、生活全体がより健康的なものになっていくはずです。
今年、あなたが習慣化したいことは何でしょうか。その行動を日々のどの場面に組み込めるか――そんな観点から考えてみてもいいかもしれません。

2冊目は『すぐやる! 「行動力」を高める"科学的な"方法』(菅原洋平/文響社)。
「帰宅したらすぐにシャワーを浴びよう」「明日までに書類を仕上げなければ」――そう思いながら、つい行動に移せない経験は誰しもあるでしょう。本書は、そんな「腰が重い自分」が「すぐやる人」に変身するための思考法と実践を提示する一冊です。
著者の菅原洋平氏は作業療法士として多くの患者と向き合い、脳の働きと行動の関係を探求してきました。その知見から導かれる行動メソッドが、本書の核となっています。
特に衝撃的なのは、「脳に見せてしまったらもう手遅れ」という指摘。帰宅後、なんとなくテレビをつけ、そのまま見続けてしまう――これは、脳が目から入った情報に引きずられる性質を持つためで、一度その刺激を受けると、行動を修正するには強い意志力が必要になるのだと言います。
だからこそ重要なのは、「やってはいけないことは脳に見せない」工夫。テレビを見る習慣を断ちたいなら、リモコンの定位置を決めておき、手に取る前に「本当に今、テレビを見るのか」と自分に問いかけるワンステップをつくる。たったそれだけでも、行動の主導権を取り戻せます。
人生の時間は有限です。脳の仕組みを味方につけ、今年こそ「すぐやる人」を目指してみてはいかがでしょうか。

習慣化の達人から刺激を受けたい方には、『続ける思考』(井上新八/ディスカヴァー・トゥエンティワン)を推薦します。ブックデザイナーとして活躍する一方で、「趣味は継続」と語る著者が、長年の実践から得た方法論をまとめた一冊です。
まずは、著者の継続記録の一部をご紹介しましょう(いずれも2023年刊行時点)。
・ジョギング:25年(雨の日以外、ほぼ毎日)
・手書きの日記:22年(毎日欠かさず)
・ブログ:7年10カ月
多忙を極める日々の中で、これらの習慣を維持しながら、1日1本以上の映画、1日1冊の読書を楽しむという生活を送っているというから驚きです。
その背景には、「1日の習慣をデザインする」という視点があります。膨大な「やりたいこと」を無理なく続けるために、毎日の行動を最適化しているのです。
とりわけ示唆深いのは「やるか・やらないか」を毎日判断しないという考え方。迷いを生む選択肢をあえて排除し、「やる」と決めてしまう。こうして意思決定の負担を減らすことで、行動は驚くほど継続しやすくなるといいます。
何かを継続するのは簡単ではありません。しかし、著者のように、自分の理想的な毎日を自ら設計することで、日常は大きく変わり得ます。新しい習慣を育てる一年の始まりに、ぜひ手に取ってみたい一冊です。
更新:01月08日 00:05