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彼女と別れ、芸人人生も手放し..たむらけんじが“50歳でアメリカ移住”した理由

2023年11月05日 公開

たむらけんじ(お笑い芸人)

 

何百億円積まれても時間のほうが大切

たむらけんじ
アメリカ生活を満喫する、たむらけんじ氏。「日常の何気ないこと、すべてが新鮮です」。

――50代にもなると、「残りのキャリアを消化していけばいい」と考える人も多い中、たむらさんのパワフルな生き方には驚かされます。その原動力は何でしょうか?

【たむら】たぶん「好き」という思いだと思います。これまで、お笑いの仕事が好きで、40代の半ばからアメリカに心惹かれて、今はもっとアメリカのことを知りたいと思っている。ずっと、そういう感じですね。

――「好き」という思いが、安定をも上回るパワーになったのですね。

【たむら】ええ。もう1つ、「今でないと」という思いもありました。 例えば、50歳からの10年間、しっかりお金を貯めて、60歳で渡米するという選択肢もあったはずです。そうすれば、すぐにアメリカで家を買えるかもしれませんしね。実際、「もっと準備してからのほうがいいんじゃない?」とさんざん言われました。

でも、僕は絶対にそれはしたくなかったんです。なぜなら、50歳で来るアメリカと、60歳で来るアメリカは、見え方がまったく違うという確信があったからです。 今しか感じとれないことは、プライスレス。何百億円積まれても、時間のほうが大切だと思って、今に至るというわけです。

――時間の過ごし方は、以前と今では違いますか。

【たむら】違いますね。昔は分刻みのスケジュールで、誰かに合わせる必要が常にありました。今は自由がききます。次の日のスケジュールを自分で決められて、どう行動するかは、すべて自分次第です。 だからこそ、時間をより大切にしていきたい。ダラダラ生活をしていたら、30年なんてあっという間に過ぎていきますから。

まあ、ダラダラして誰に迷惑をかけるわけでもないですが、自分が選んだことに対して責任を果たしていきたいんです。英語の勉強をしっかりして、アメリカを知って、今こそ怠けてはいけないときです。

――アメリカを知ることが、今の最重要事項なのですね。

【たむら】そうですね。こちらに来て1年間は、ビジネス的なことは何もしないと決めていて、今はひたすら色々な場所を訪ねています。 ロサンゼルスから1~2時間ほど車を走らせれば、大自然がたくさんあるんです。僕の大好きな砂漠もありますしね。

 

年齢はただの数字...大切なのは自分の気持ち

――いつかはビジネスを始める予定もあるのですか?

【たむら】その考えもあるにはあるんですが、今はたくさんのことを見て、知りたい。焦らず、じっくり過ごすことで、見えてくるものがあるはずですから。急がずに、まずは1年間、学びにあてようと思います。

――「イラチ」だった頃とは大違いですね。一般的に「年齢を重ねると人は変われない」と言われます。「今さら無理だよ」と考えている50代にメッセージをお願いします。

【たむら】この僕が、この頑固でややこしい僕が変われたんです。まだまだ、みなさんも変われますよ。 1つお伝えしたいのが、「なぜ変わる必要があるのか」は、ぜひ自分で見つけてみてください。先ほどお話ししたように、僕は「俺って本当にあかんな」と心の底から思ったから変わることができたんです。

――そのとき「今さら無理」という気持ちはありませんでしたか。

【たむら】確かに、「50年近く生きてきて、そう簡単には変われないだろう」とは思いました。それでも「これじゃあかん!」という思いのほうが強かったですね。これまでの人生で、こんなにも変わりたいと思ったことはなかったですから。

――「変われない」と決めつけてはいけませんね。

【たむら】その通りです。心の底から変わりたいと思ったら、いくつになっても変われますよ。 アメリカ人はよく「年齢はナンバーにすぎない」と言います。年齢はただの数字であって、大切なのは自分の気持ちだと。 変わりたい気持ちや好きなことにワクワクしたい思いがある限り、人は何歳でも若いんです。

 

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