――社員の方に、かなり直球で感情を表されているのが印象的です。
【藤﨑】確かに、いつも率直でありたいとは思っています。
先日、ある店舗が閉店を余儀なくされたときもそうでした。業績が悪いからではなく、テナントに入っていた母店の閉店によるものでした。勤めていたアルバイトの方々は、大手チェーン店さんなら別の店に引き継ぐこともできるのでしょうが、当社はそのエリアに他に店舗を持っておらず、それができなかったのです。非常に悲しく、責任を感じました。
会社に力があれば、近隣に出店することもできるのに、それが叶わないのは経営者である私の力不足。スタッフには「今まで本当にありがとう。そして謝りたい。皆が働く場所を提供できなくてごめんなさい」と頭を下げました。
――そんなふうに、一人ひとりの働き手に心を寄せていかれるのは大変ではありませんか?
【藤﨑】確かに苦労もありますが、そうすることが私の仕事の1つであり、責任だと思うんです。
――上に立つ人の中には、あえて感情に蓋をする方もいますが......。
【藤﨑】確かに、私は珍しいタイプかもしれません(笑)。それは、ここまでのキャリアの影響だと思います。不思議なご縁で出会うはずのなかった人と知り合い、支えられてきたことを思うと、部下一人ひとりと心で向き合わずにいられないんです。
確かにつらいこともあります。仲間同士でトラブルが起きたりすると本当にきつい。でも、それも「人の集まり」という多面体のうちの一面に過ぎません。全体を見れば、私たちは目的を共にして支え合っているのです。ですから一過性のつらさに下を向いてしまうことはないですね。
更新:11月23日 00:05