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レンタルスペース投資が熱い? 老後のお金の自由を手に入れる「ストック収入」

2022年08月04日 公開
2022年08月04日 更新

小林昌裕(副業アカデミー代表)

 

まずはフロー収入型の副業で“余裕資金”を貯める

このように、ストックビジネスには様々なものがあります。それぞれの初期費用、スキーム、収益性、および「旬」度を押さえたうえで選択しましょう。

何をするにせよ、欠かせないのは「余剰資金がある状態で始める」ことです。前述の通り、これらはすべてリスクを伴うビジネス。収益を得るまでにも一定の期間がかかります。

ですから、まずは「丸ごと失っても仕方ないと思える資金」で始めるのが大原則です。なけなしの貯金をはたくかたちで始めてしまうと、最も手間のかかる創業初期を、尋常でない不安の中で過ごす羽目になること必至です。

余剰資金のない方は、まずとにかく「貯金」から。家計を見直し、夜間や週末の副業(フロー収入)で余裕資金や貯金に回す分を得ていきます。知識や経験を活かして何かを教えたり、ライターなどをするのもあり。それで200万円程度の資金ができれば、ひとまず「レンタルスペース」には着手できそうですね。

 

最初は業者と協力し、慣れたら自力で「仕組みづくり」を

十分な資金があり、すぐに始められるという場合も、留意すべき点があります。それは「業者さん」に運営や開業をどこまで任せるか、ということ。

例えばレンタルスペースなら、物件選定からインテリア、利用者の募集まですべて代行してくれる会社がありますが、一から十まで任せると、本来100万円以下の初期投資に300万円かかることも。ラクをすればその分高くつくのです。さらに運営まで丸投げすれば、そこで得られるはずの経験やスキルも、身につかなくなってしまいます。

仮に「お任せ」するとしても、少なくとも3社は比較検討したうえで業者を選びましょう。そして、ノウハウがわかってきたら徐々に「自力」の割合を増やすのがベター。最初のビジネスだけは業者と協働し、要領をつかめたら、2件目以降は自力でやってみるのもお勧めです。

私の知人も、太陽光発電が人気だった頃にその手法で成功しました。地面にパネルを敷く「野立て」設備を整えるにあたり、業者を通すと費用は約2000万円。対して、自分でパネル業者から設備を購入し、自分で選定した土地に設置した際は1200万円で済んだとか。「自力で済ませる」ことの価値がどれだけ高いかわかります。

慣れてきたら、こうした「最初の仕組み」だけ100%自分でつくり、あとの管理を業者に任せるかたちが理想です。そうなれば、初期費用最小、実働ゼロのビジネス=ストック収入を得る仕組みが確立します。

とはいえ、そこに至るには、やはり勉強も必要です。今はストックビジネスの講座も多々ありますから(かく言う私も、そんな講座を運営しています)、そうした場所でノウハウを学ぶのも有意義かもしれません。

ビジネスパーソンの皆さんなら、これまで「本業」で得たスキルが大いに活かせるはず。長年の経験に裏打ちされたコスト感覚や交渉術を、ぜひ会社の外でも発揮してください。それは確実に、「未来の安心」の基盤となっていくことでしょう。

 

【小林昌裕(こばやし・まさひろ)】1982年、東京都生まれ。普通のサラリーマンをしながら26歳から不動産賃貸経営を始め、その他20余りの副業を実践。31歳で年間収益1億円超を達成。その後、日本初の副業専門スクール「副業アカデミー」を設立した。著書に『年収350万円のサラリーマンから年収1億円になった小林さんのお金の増やし方』(SBクリエイティブ)、『サラリーマン副業2.0』(PHPビジネス新書)などがある。

(『THE21』2022年9月号特集「普通のサラリーマンが60歳までに『お金の自由』を手に入れる方法」より)

 

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