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「オンライン診療のベンチャーが保険事業に参入した理由」MICIN代表取締役CEO 原聖吾

2021年10月07日 公開

【経営トップに聞く 第54回】原聖吾(MICIN CEO)

医療の問題に、なぜ「ビジネスで」取り組んでいるのか?

――原CEOは、医師になったあと、スタンフォード大学でMBAを取得したり、マッキンゼーで働いたりしていたのですから、ビジネスにも興味があったわけですよね?

【原】自分で新しい価値を作っていくプロセス自体が楽しいんです。

 当社のビジョンを実現するためには、ビジネス以外のアプローチを取ることもあり得ると思います。実際、私の経歴は、様々なアプローチを試みているようなところがあります。初めは医師で、次に日本医療政策機構で医療政策に関わる仕事をして、その後、マッキンゼーで医療機関などのコンサルティングをしました。

 その中で、私は、自分で仲間たちとともにビジネスをすることにやりがいや面白みを感じることに気がつきました。

――起業してから、特に困難だったことは?

【原】初期の段階で言うと、エンジニアなど、仲間を集めてチームを作ることが、ハードルが高かったです。オンライン診療と言っても理解してもらえないことが多かったですから。知り合いから知り合いを紹介していただいたりして、少しずつ人を集めました。

 エンジニアだけでなく、医療や保険など、価値観が違う様々なバックグラウンドの人たちが集まって来て、組織が大きくなってくると、全員を1つのビジョンに向けるという新たなチャレンジのフェーズに入りました。今は100人ほどのチームになっています。

――どのようにして1つのビジョンに向かうようにしているのですか?

【原】採用の段階でビジョンに共感していただける方に入社していただいていますし、ビジョンや、それに基づいたミッション、バリューが浸透するように努めています。

 例えば、バリューに沿った活動をしたり、それによって成果が生まれたりすれば、皆で賞賛しています。そうすることで、どういう行動がバリューの体現なのかが、組織の中で共有されます。そうした事例は毎月共有していますし、半期ごとにMVPの表彰もしています。

 評価制度でも、バリューに沿った行動をしていれば高く評価されるようにしています。

――すでにお話しいただいたことの他に、今後の展開として考えていることは?

【原】オンライン診療の分野では、我々はトッププレイヤーだと思っていますが、今後、さらに存在感を高めていきたいと思います。

 また、今展開している複数の事業を組み合わせたサービスも展開していきたいと思っています。組み合わせることによって、より高い価値を発揮することができると考えています。

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