また、せっかく復職したものの、「チームで自分だけが時短勤務なので肩身が狭い」と感じる女性は多い。この課題は管理職がメンバーの役割定義を明確化することで解消できる。
「例えば、経理部で給与計算を担当するチームの中にも、仕事全体の工程を管理してほしいメンバーもいれば、新人の指導を任せたいメンバーもいるし、労務管理の専門知識を活かしてもらいたいメンバーもいて、期待する役割は人によって異なるはずです。
それを一人ひとりに対して詳細に定義すれば、メンバーも『自分は何をすればチームに貢献できるか』がわかるので、働く時間の長短が気にならなくなる。時短勤務でも、自分の役割を果たせば他のメンバーの役に立てるので、罪悪感を覚えることがなくなります」(小田木氏)
たとえメンバーに両立期の女性がいなくても、「役割定義の明確化はチームのパフォーマンスを上げるために必須であり、どの管理職も実践すべきマネジメントの基本」と沢渡氏は話す。
「管理職がマネジメントの手法や自分の役割を再設計することにより、男性・女性を問わず、様々な背景や事情を抱えた多様な人材が能力を発揮し、組織と個人が共に成長し続ける。これがニューノーマルの勝ちパターンです。
ぜひ皆さんも、『女性のため』ではなく『組織の成長を実現するため』という視点から、自身のマネジメントを見直してみてください」(沢渡氏)
更新:11月23日 00:05