2021年02月12日 公開
2022年10月20日 更新
昭和から現在まで使われ続けている文具がある。ロングセラー商品にはその理由があると思う。「必要とされている」ということが理由のひとつである。
誰でも日に最低でも1回は文字を書くと思うが、急いで書く必要がある時と、綺麗に書く必要がある時とがある。
そこで、速記にも、美文字を書くのにも適しているのが、ぺんてるの『プラマン』である。その名の通りプラスチックで万年筆を再現している、1979年の発売当時から変わらぬ筆記具である。
インクが出る平らなペン先を両側から板で抑えることで、ペン先のしなり具合を加減でき、書く線の太さを調整できる。この柔軟性を持つペン先を作るのにプラスチックを使っている。万年筆は、F、Mなど、ペン先の太さが決まっているが、プラマンのペン先は1種類だけである。この1種類のペン先で、角度と筆圧を変えれば、細い線も太い線も書けるのだ。
今では9色にまで増えたインクも、キャップを閉めていれば乾燥に強く、書く時には水性インクの特徴である書き出しの良さに加え、速乾性があるので、手が汚れることも、文字が擦れることもない。ペン先の角度と筆圧で文字にメリハリと躍動感が出るところが気に入っており、万年筆で書いた文字と比べても遜色ない出来となる。
この書き味が、もうひとつの長寿の理由である「愛されている」、につながるのではないだろうか。
プラスチックのため安っぽく見えて恥ずかしいと思う人には、伊東屋から金属軸の外装の「ペンジャケット」が販売されている。だが、そのままの姿で使うことがお薦めである。愛されている理由には書き味以外に、発売当時から変わらぬレトロな姿も含まれているのではないかと思うからだ。
《写真提供:ぺんてる〔株〕》
更新:11月21日 00:05