2021年01月07日 公開
2022年10月25日 更新
irina(イリナ)のミニロールケーキ
――当初、加盟店はどのようにして集めたのですか?
【高橋】電話営業をして、訪問して、という形です。
地方では人口が減っているうえに、原材料費の高騰でケーキ店の経営が苦しくなってきていた時期だったので、ECに興味を持ってくれるお店が多く、それほど苦労はしませんでした。
――ケーキを買うユーザーは、すぐに増えましたか?
【高橋】ケーキのECサイトは他にないので、買いたい方は検索して来てくれましたね。
ある程度、ビジネスが大きくなってからは、SNSで商品写真を見て、買いに来ていただく方が多くなりました。
スイーツは、「これが食べたい」と思って検索する方が少ないんです。もともとその気はなかったけれど、たまたま目にしたことで食べたくなる方がほとんど。ですから、いくら検索に引っかかりやすくしても、効果が薄い。それよりも、インスタ映えして、SNSで拡散することのほうが重要です。
――他社とのコラボにも積極的ですね。
【高橋】例えば「ミニロールケーキ」なら、こういう年代で、こういうチャネルを見ている人が、こういう目的で買う、というような、「ミニロールケーキ」を買うペルソナがあります。
2020年にはGACKTさんとコラボしたオリジナルクリスマスケーキを販売したのですが、この商品を買うペルソナもあって、それは「ミニロールケーキ」のペルソナとは違います。
タレントやアーティスト、YouTuber、キャラクター、また、サービスなど、様々なものとコラボすることで、幅広いペルソナにCake.jpのユーザーになっていただけます。
――御社の成長を見て、他社が参入することも考えられると思います。その点についての戦略は?
【高橋】まず、ユーザーを多く、先に獲得すること。そのためには、数多くの種類の美味しいケーキを販売する必要があります。
そして、加盟店がCake.jpに貼りついている状態を作ること。そのために、加盟店向けの機能を色々と提供しています。当社はケーキ店向けにSaaSを提供している会社でもあるんです。
提供しているのは、例えば、材料を仕入れる機能や商品をPRする機能、配送のための機能など。材料については、普通は一部の高級店しか手に入れられない良いものを、当社を通じてなら低価格で入手できたりします。当社が加工して提供している材料もあります。
また、「この頃は本格チーズケーキが流行っている」「こういう色の商品の人気が高まっている」というような、売れているケーキのデータの提供もしています。こうしたデータは、個店では取りにくいんです。
ちなみに、新型コロナが流行してからは、小さなロールケーキを積み上げたミニロールケーキタワーのように、最初から切り分けられているケーキの人気が伸びています。おむすびの形をしたケーキも人気ですね。クリスマスケーキも、例年のような大きなものよりも、切り分けられたものが売れています。「直接触りたくない」というニースだと思います。
更新:11月23日 00:05