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Cake.jp「ケーキは『食べる前に解凍』が美味しいことを知ってほしい」

2021年01月07日 公開
2022年10月25日 更新

【経営トップに聞く 第42回】高橋優貴(Cake.jp代表取締役社長)

高橋優貴

ケーキ店の労働環境・廃棄ロスの問題の解決も

――社員も増えていますが、目指すのはどんな会社ですか?

【高橋】楽しい会社を作りたいなと思ってます。当社の社員が好きなことを頑張ることが、ユーザーにとっても、加盟店にとっても、価値につながります。ですから、社員が楽しんで仕事ができるよう、クリエイティブな仕事を増やしたり、遊び心を出したりすることを意識しています。

 例えば、今、パッケージを作り直しているのですが、ケーキの下に敷く台紙にメッセージを書いておき、ケーキを食べるとそれが現れるようにするアイデアを検討しています。

 遊び心があると、ユーザーとも加盟店とも距離が縮められると思います。当社と関わることをハードルが高いと思っていただきたくないんです。

――「楽しい」というのは、人によって違うと思いますが。

【高橋】自分が成長している実感があると、楽しいと感じると思います。その手助けを、会社がしてあげられればいいですね。

 管理、製造、マーケティング、開発といった部署単位で戦術を決めてもらうようにもしています。部署間の連携を取る必要もあるので難しいのですが、これも、楽しんで仕事をしてもらうことにつながると思います。

――今後、特に注力するところは?

【高橋】冷凍ケーキの認知度を上げたいですね。

「冷凍ケーキが家に届いて、食べると美味しかった」という体験を1度していただくと、「またCake.jpを使いたい」と思っていただける手応えがあるのですが、最初のハードルが高いんです。抵抗のある方が多い。タレントやYouTuberとのコラボ、PR、テレビCMなども含めて、多角的に冷凍ケーキをアピールしていきたいと思っています。

 有名シェフとコラボをしている目的の一つも、冷凍ケーキの認知度を高めることにあります。「有名シェフのケーキなら、冷凍でも食べてみよう」と思う方が多いですから。

 冷凍ケーキが広く認知されるようになると、市場が広がるのはもちろんですが、他にも良いことがあります。

 ケーキ店で働いている方は、特にクリスマスシーズンなどは、長時間労働を余儀なくされています。その日に売れるケーキを、その日に作らないといけないからです。そして、閉店後に3割ほどが廃棄されるというのが常態化しています。廃棄ロスを作るために労働時間が長くなってしまっているような状況なのです。

 ECだと注文を受けた分だけ作ればいいので廃棄ロスを減らせますし、冷凍保存がさらに広がれば、作り置きができるので、1日の労働時間を短縮できます。冷凍ケーキによって、ケーキ店の労働環境の改善と廃棄ロスの削減に貢献したいと思います。

《写真撮影:まるやゆういち》

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