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ムダな会議を一掃!すべての会議は「KJ法」と「共感力」で円滑に進む

2020年03月27日 公開
2023年02月21日 更新

園部浩司

多数決は絶対NG 全会一致は時間がかかる!

以上を実行するうえで、注意すべきポイントが何点かあります。

まず、ステップを省略しないこと。例えば現状を把握できたら、すぐに解決策に行きたくなるものですが、それは間違いの源です。あるべき姿の共通認識ができていないとそれを実現する策は立てられませんし、原因を特定しないと適切な策を当てはめられません。

各ステップを「混ぜない」ことも大事です。

現状を挙げるとき、「こんなことになるのも、○○だからだ」などと原因を誰かが口走り、そこから第3ステップの「原因究明」に話が流れてしまう、といったことがままありますが、そんなときは「その話、あとで教えて」と言うふうに交通整理することが必須。

ステップごとに「洗い出す→絞り込む」を4回、繰り返しましょう。

さて、それでも最後の合意形成ではたいてい揉めます。「納得度が大事」とはいえ、全員を100%納得させるのは至難です。そもそも、合意形成には3つの種類があります。第1が多数決、第2が全会一致、第3はリーダーによる一任です。

このうち多数決は少数排除の論理であり、納得度ゼロの人を生み出すため、この場面では不適切。そして全会一致も時間がかかりすぎて至難となれば──

最終的には決定権のあるリーダーに一任するしかありません。ファシリテーターがその任に当たることも多いでしょう。ただし、リーダーに権限があるからと言って、メンバーの意見を聞かずに決めては、ただの暴君と
なり、メンバーの納得度は高まりません。

時間内は全員から意見を引き出し、全会一致を目指す。もし時間内にまとまらなければ、最後はリーダーが結論を出すという2段階の合意形成ス
テップを踏むことが最適解です。

その際は、会議の冒頭でそれを周知させておくことが大切。
「これから皆の意見をとことん引き出すが、万一時間内に一致しなければ、結論はリーダーに任せてほしい」旨を告げ、そのルールに賛成してもらうのです。そうすれば結論がどう出るにせよ、納得度を保持できます。

 

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著者紹介

園部浩司(そのべ・こうじ)

人材育成・組織風土改革コンサルタント,研修講師,プロファシリテーター

1991年、NECマネジメントパートナーに入社。経理部に配属され、その後、事業計画部へ異動し36歳でマネージャーに昇格。さまざまな企画を立案し実行するが、チームマネジメントはプレイヤー時代のようにはいかず、成果をなかなか出せずにいたところ、あるプロジェクトにおいてメンバーとの関係が破綻。これをきっかけに、自身の変化の必要性を感じ、試行錯誤を繰り返す。すると、チームの状態が劇的に向上し、プロジェクトでも大きな成果がでるように。その後は、「メンバーの育成」と「成果」の2軸にフォーカスするチームマネジメントを行い、300名在籍の組織変革プロジェクトリーダーをつとめ、1年間で約2億円の営業利益の改善に導く。業務改革推進本部では、最年少部長に抜擢。2016年に独立し、人材育成や業務改革、風土改革のコンサルティングを行う「園部牧場」を設立。ベンチャーから大手企業までのチームプロジェクトを仕切るほか、年間2500人以上のチームリーダーやファシリテーターの育成に携わる。営業活動はSNSなどを一切使わず口コミのみ。数年先まで依頼で埋まっているコンサルタントであり、トップファシリテーター。指導した人数は、延べ2万人を超える。

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