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「上司と部下」の問題をテクノロジーが解決する!?

2020年03月05日 公開
2023年02月24日 更新

本田英貴(KAKEAI代表取締役社長兼CEO)

注目のベンチャー起業家に聞く

 

 中間管理職にとって、部下のマネジメントは悩みが尽きない問題だ。なんとか成果を出してもらおうと、指示やアドバイスをするものの、思うように動いてくれない。モチベーションやエンゲージメントも高まらない。さらには、部下が辞めてしまうことも少なくない。そんな悩みを解決するためのHR Techサービスが、2019年9月にローンチした「KAKEAI」だ。その運営会社である〔株〕KAKEAIは、世界最大級のHR Techイベント「HR Tech Conference & Expo 2019」で、日本企業で初めて、世界のHR Techスタートアップ30社に選ばれるなど、早くも数々の賞を受賞している。同社の代表取締役社長兼CEO・本田英貴氏に話を聞いた。

 

上司の力をテクノロジーで補う

 多くの企業で起こっているマネジメントの問題は、個々のマネジャーが日々経験し、蓄積しているマネジメントの力が、個に埋もれたまま放置されていることに起因すると、本田氏は指摘する。

「上司次第で部下のパフォーマンスに大きな差が生まれることは言うまでもありません。それにもかかわらず、相変わらず、個のマネジャーが持つ経験や感覚は、マネジャー個人の中に埋もれたままで、組織や社会で蓄積し、使われる状態にはなっていない。それゆえ、至るところで同じ失敗が繰り返され、まるで当たり前のことかのように、いつまでたっても世の中の上司と部下はうまくいかない」(本田氏)

 マネジメント能力を高めるため、研修を受けさせる企業も多い。しかし、例えば、安心安全な環境に置かれたほうが力を発揮する部下もいれば、厳しく追い込まれたほうが力を発揮する部下もいる。部下一人ひとりに対して最適なマネジメントの方法を学ぶことは、座学の研修では難しい。

 近年、注目を集めている1on1は、部下一人ひとりと上司が向き合うものだ。しかし、効果的な1on1ができるかどうかは、上司の属人的な力に委ねられてしまう。

「上司が良かれと思ってしたアドバイスが、目の前にいる部下に対して効果があるとは限りません。力を発揮しやすい状態にしても、ストレスの感じ方にしても、人によって異なるからです。『KAKEAI』では、マネジャーの力をいくつかの機能で補いますが、そのうちの一つが、上司自身と部下の特性の違いを上司に伝え、部下一人ひとりに合った関わり方をアドバイスするというものです」(本田氏)

 KAKEAIに上司の立場の人がログインすると、チームメンバーのアイコンが画面に並んでいる。そこからメンバーを一人選ぶと、そのメンバーと自分との特性を示すレーダーチャートや、上司自身と部下の特性の違いを踏まえた、マネジメントをするうえでの留意点が表示される。

 

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著者紹介

本田英貴(ほんだ・ひでたか)

〔株〕KAKEAI代表取締役社長兼CEO

1979年生まれ。熊本県出身。筑波大学卒業後、2002年に〔株〕リクルートに入社。新規事業開発などを経て、〔株〕リクルートホールディングス人事部マネジャー。リクルートグループの「ミドルマネジメント層のメンバーマネジメント改善」施策の検討・実施や、人事業務のデジタル化を推進。一方で、管理職として、自身の部署でのメンバーのマネジメントに苦しみ、失敗。結果、うつ病で休職することに。リクルートホールディングス退職後、複数のベンチャー企業の役員を経験。マネジメントが構造として属人的かつブラックボックスになりがちなものであるがゆえに、どの組織でも起こり得る「自分と同じ失敗」、そして、その失敗が招くメンバーの不幸、組織全体、ひいては社会全体の不幸をなくしたいとの想いから、2018年に〔株〕KAKEAIを創業。

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発売日:2024年11月06日
価格(税込):780円

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