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できるリーダーは「叱ってはいけない」と考えない

2019年10月18日 公開
2023年02月24日 更新

吉田幸弘(リフレッシュコミュニケーションズ代表)

管理職

叱ることは部下を育成する過程において必要なこと。「叱ってもらえたことで、大きく行動を変えられた」という経験を持つリーダーであれば、必要に応じて部下を叱ろうと思うはずだ。ポイントは、部下を「叱るか叱らないか」ではなく、叱った側も叱られた側も気持ちよくなれる「正しい叱り方」を知ることだ。

※本稿は、吉田幸弘著『リーダーの「やってはいけない」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 

「叱ること」ではなく「叱り方」が問題

できるリーダーは叱るのも上手です。

しかし、リーダーの中には、「部下を決して叱ってはいけない」と考える人も多くいます。

とある部署のリーダーAさんも、そんな「部下を叱っていけない」と思っている1人でした。

しかも、Aさんの場合、内心では部下への怒りが溜まっていました。そのストレスからか、通勤中の電車でぶつかってきた乗客を「謝らないのはおかしいだろ」という目でにらんでしまったり、あるいは家庭でも、家族の言動に対して強い口調で接してしまったりと、明らかに悪い影響が出ていました。

これはAさんにとって非常に良くないことです。

Aさんのように「絶対に叱ってはいけない」と思っている人は、過去に怒られて嫌な思いしかしたことがない、あるいは、叱られることでいい経験をしたことがない人です。

「叱ったら会社を辞めてしまうのではないか」
「部下が嫌な気持ちになるのではないか」

このように、叱った後、部下との関係が悪くなることばかり考えてしまうのです。

 

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叱っても関係性を悪くしないためには? >

著者紹介

吉田幸弘(よしだ・ゆきひろ)

リフレッシュコミュニケーションズ代表

成城大学卒業後、大手旅行会社、学校法人を経て、外資系専門商社へ転職。メンバーとのコミュニケーションに苦心し3度の降格人事を経験、クビ寸前の状態になる。その後、異動先で出会った上司から「伝え方」を学ぶことで営業成績が劇的に改善、マネジャーに返り咲く。現在はコンサルタントとして独立し、累計3万人のリーダーを育てている。

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