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タブーな話題でも「話が面白い人」の超絶テク

2020年02月10日 公開
2023年02月24日 更新

渡辺龍太(放送作家、即興力養成講師)

キャラがわかればタブーな話題も怖くない

これを、相手のキャラクターを把握した上で、タブーな話題にまで踏み込めるようになると、もう少し「仲間感」のある会話になります。

A 「先輩、今日も結構、遅くなりましたね」
B 「そうだね。嫌になるね。連日こうだと」
A 「いい会社見つかったら、正直、すぐにでもやめたいです(笑)」
B 「すごいこと言うな! でも、その気持ちわかる! とはいえ、いざ転職を考えると、うちの会社も悪くないんだよな~」
A 「ですよね。他は、残業代も出ないようなところもあるらしいですからね」
B 「もう、日本は終わってるよな! ヨーロッパみたいに、何週間か有給もらって、バカンスとか行きたいな~」
A 「僕ら、薄い顔に生まれちゃったんだから、そこはあきらめましょう(笑)」
B 「原因はそこじゃないだろ! あはは!」
A 「そこですよ! じゃあ、お疲れ様です」
B 「うっす! お疲れ様〜」

こちらの雑談では、「会社やめたい」というタブーな話題をきっかけに、会話が盛り上がっています。最初の会話例とは大きな違いで、先輩と後輩の関係の近さを感じます。

インプロの舞台でもそうなのですが、頭の中に「このトピックはNG」などと制限がかかった状態では、絶対に失敗しないようにと、守りに入った会話しかしなくなります。その結果、ややよそよそしい展開の会話になってしまいます。

雑談も一緒で、お互いにキャラクターを把握した相手であれば、あえてタブーな話題を仕掛けてみてください。表現のリミットがなくなり、より自由な発想で雑談ができるようになって、仲間感のある会話ができるようになるはずです。

著者紹介

渡辺龍太(わたなべ・りょうた)

放送作家、即興力養成講師(ハリウッド流インプロ協会会長)

高校生の頃にお笑い芸人を志すも、日本ではスベり続けた末に、一念発起してアメリカへ留学。その際、現地で「インプロ(即興力)」と呼ばれる科学的に研究されたアドリブトーク術と出会い、コミュニケーション能力が劇的に改善。以降、本格的にインプロや心理学を学び、体系的にまとめられた「人間が笑う話のロジックのパターン」の研究に没頭する。帰国後は、インプロで身につけたコミュケーション能力を活かして、実績ゼロからNHKの番組ディレクターに就任し、放送作家となる。現在は、放送作家として活躍するかたわら、浅井企画メディアスクールでインプロワークショップなどの講師を経験したことをきっかけに、ビジネスマンや学生を対象に、様々な自治体や企業で精力的に講演やワークショップなどを行っている。2018年には、さらにインプロを広めるために、ハリウッド流インプロ協会を設立し、インプロ講師の養成にも注力している。
著書に、『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』(ダイヤモンド社)、『自分の居場所はどこにある? SNSでもリアルでも「最高のつながり」の作り方』(CCCメディアハウス)、『ウケる人、スベる人の話し方』(PHP研究所)がある。

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