2020年01月06日 公開
2023年02月24日 更新
これを「仕事に取り掛かれないとき」のケースで考えてみましょう。
私もしばしば、執筆が億劫になることがあります。そんなときは「どの点が億劫だと感じているか」をモニタリングします。このように、「引っかかり」の所在をあぶりだすのがポイントです。
すると、「自分の文章に責任を持つことへのプレッシャー」が関門だとわかります。結果、「責任が軽い引用文から取り掛かる」、という方策も浮かぶのです。
ビジネスパーソンの皆さんも、資料作りなどで似た状況になることがあるでしょう。ならば「タイトルだけ書く」など、プレッシャーのない部分から始めるとエンジンがかかりやすくなります。
集中力を持続する際にも、モニタリングは頼りになります。私の場合で言えば、「文章の続きがでてこない」「この嫌な状況から逃げたい」「だからご飯を食べたい気持ちが増している」など。客観的に観察しているうち、感情が収まってきます。
このように、感情の中身は詳しく言語化しましょう。心理療法関連の論文には、メンタルに不調をきたす人には全般に、感情の言語化が苦手な傾向が強く見られます。曖昧な言語化で済ませていると、感情に飲み込まれやすくなるのです。
「なんとなくモヤモヤ」ではなく、「先方の対応は熱意が足りないと感じている」など、内容や状況を明確にしましょう。
この力を上げるには、小説や映画などのフィクションに触れることも有効。登場人物の感情を描写する文章やセリフに触れ、感情を表現する「語彙力」を増やすことは、科学的にも感情コントロールに有効です。
それでも適当な表現が見つからないときは「感情の物質化」を試してみましょう。「今の気分を物体にたとえたら?」と考えてみるのです。「赤みを帯びたトゲトゲの球体」など。色や質感の他、サイズ、温度、体内のどこに位置しているか、動きはどうか、などを詳しく想像しましょう。訓練を重ねるほど、「獣」への対処力が高まります。
更新:11月25日 00:05