2019年12月12日 公開
2020年04月07日 更新
友達のポルトガル人。リスボンの家を世話してくれた親切な人ですが、一週間経ってもベッドも冷蔵庫もありません。「すぐにでも!」って返事はいいのですが。
人生再設計バブル世代です。
うかうかしているうちに、老後が迫ってきました。
イラついたりムカついたりすることのない、のんびり過ごせる桃源郷を探しています。
北海道よりちょっとだけ小さいアイルランドから、北海道より少しだけ広い「葡」の国に飛びました。
「葡」の国をご存知ですか?
安全で物価が安く、ヨーロッパでの「移住先人気No.1」です。
東京ドーム197万個分の国土に1,000万人が暮らし、美味しい水道水が飲めます。
手っ取り早い移住方法は、6,000万円(50万ユーロ)の家を買うだけ。簡単なのに我が家には難易度が高かったりするわけですが、移住者の特典はタックスヘイブン。本国で稼いでも税金がかからないのがよっぽど嬉しいのかマドンナが引っ越してきた「葡」の国とは、世界一鱈を食べるポルトガルです。
1年のうち7割は晴れているという噂もありますから、老人に優しい天候。
イギリス、フランス、ドイツのように忙(せわ)しないことがなく、時計もいくぶんゆっくり動いているのんびり感です。
2020年の初日の出まで、ポルトガルで仮想老後を体験してみます。
イラついたりムカついたりすることなく、心穏やかに過ごせますかね?
宿泊している民泊は、世界遺産のすぐ隣。
石畳の道に面した、築100年以上のアパートメントです。ヨーロッパのモノクロ映画に出てきそうな古色蒼然とした佇まいながらも、室内はリノベーション済みで綺麗です。
片隅にあるボイラーから、水が滴っていました。
10秒間に1滴くらい、ぽたん…………、ぽたん…………
水漏れに一句ひねりたくなるポルトガル風情ですが、いつの間にか複数箇所からランダム漏水。あたたたたた……と鼓笛隊レベルになって、軽くイラついてきました。修理を頼みます。
「ボンジア!(おはよう)」
職人は近所の金物屋さん。赤ら顔のお父さんでした。
ボイラーを直してン十年のベテランなのでしょうが、意外と段取りが悪いです。
古いボイラーを取り外そうとして、おっと、ドライバーが必要か!
お店に取りに戻ります。
くいくいっとボイラーを外したあと、おっと、ドリルがいるね!
再び、お店へ。
ああそうそう、大きなトンカチがあるといいかも。
またしてもお店へ。
いつまでたっても修理が終わりませんが、お父さんはいたって鷹揚。
いい人なんですけどね、その余裕をこいた背中にイラっとさせられるのです。
設計から施工までする、働き者の建築家。
更新:12月04日 00:05