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OB訪問で社員が「ここ」で言葉を濁す会社は、沈む

2019年12月17日 公開
2024年12月16日 更新

小宮一慶(経営コンサルタント)

 

「ぜひうちの社においでよ」「良い会社だよ」と心から言えるか

 3つ目の質問は、ぐっと個人的なことです。

 

3、会社に来るのが楽しいかどうか

 会社訪問に来た学生に、自分の会社のネガティブな面を語る人はいないでしょう。

「給料は悪くないよ」とか「休日出勤も基本的にないし」とか「ブラック要素もないし」とか、いわゆる条件的に悪くないということは誰でも言えるのです。もっと言えば、そういうことは人事・採用セクションの人に聞けば具体的に教えてくれます。

 あえて先輩に聞くべきは、「楽しく働けているかどうか」なのです。

 何をもって会社を「楽しい」と言うかは、人によってそれぞれです。しかし、本当に「良い会社だよ」「ぜひ、うちを受けて仲間になろうよ」と言える会社かどうかというのは、楽しいかどうか、です。

「使命感ややりがいをもって働けている」ことかもしれません。

「自分が向上していけるという感覚がある」ことかもしれません。

「他ではやっていない面白いことをやれる」ことかもしれません。

 どんな楽しさがあるのかを教えてもらうことで、その会社の本当の魅力が分かるのではないかと思います。

 また、そういった話をいろいろな会社で聞いてみることで、自分がどういうエピソードにワクワクするかによって、どういう会社に入りたいと思っているのか、自分自身の望んでいることに気づくこともできるでしょう。

「楽しく働けている」という話が聞けないということは、「この会社を志望するのはやめたほうがいいよ」と言っているのと同然だと受けとめることができます。このような会社では、働きがいも低く、チームワークも悪く、社員の表情も暗いものです。

著者紹介

小宮一慶(こみや・かずよし)

経営コンサルタント、小宮コンサルタンツ代表

1957年生まれ。京都大学卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。米ダートマス大学タック経営大学院にてMBA取得。91年、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。96年に小宮コンサルタンツを設立し、現在に至る。2014年、名古屋大学経済学部客員教授に就任。十数社の非常勤取締役や監査役、顧問も務める。著書に『「金利上昇」に勝てる経営』(ビジネス社)ほか多数。

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