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「ミレニアル世代」が重視する会社選びのポイントとは?

2018年09月04日 公開
2023年03月14日 更新

渡部陽(ユーキャンパス社長)

今の若者には「腫れ物に触るように」接するべき!

 

 新卒採用が大学生の超売り手市場になったと叫ばれて久しいが、ミスマッチによって、入社3年以内に退職する若者もいまだに少なくない。人材の奪い合いと高い離職率――。ますます採用が難しくなっていく中、四半世紀にわたって大学生向け商品のプロモーションや大学生のマーケティングリサーチをしてきた渡部陽氏は、「今の若者とは、腫れ物に触るように接するべきだ」と主張する。自身が経営する〔株〕ユーキャンパスにも、今の若者の特性を活かした制度を取り入れている同氏に、40代以上のビジネスパーソンが知っておくべき「ミレニアル世代の働き方」について寄稿してもらった。

 

「ミレニアル世代」が会社に求める3要素

「ミレニアル世代」とは、1980年代から2000年代初頭までに生まれた、デジタルネイティブとも呼ばれる世代のことです。私の経験上、彼らはきわめて繊細で、敏感で傷つきやすい。けれども、真面目で、道徳的に正しいことを重視するのが特徴です。

 ミレニアル世代の中でも、新卒採用が売り手市場になったことが顕著なこの4年間に入社した若者が会社に求めるポイントは、三つあると考えています。

 まず一つ目は、今も昔も同じですが、企業の「ブランド力」。高いブランド力を持つ会社が、就活生の人気ランキングで上位を占めるのは、バブル時代から変わりません。

 しかし、それは大学生のときに「入社したい」と考える会社であって、実際に入社して働き始めると、会社に求めるポイントが変わってきます。

 今でも3年で3割が辞めてしまう理由は、二つ目のポイントである「ワークライフバランス」にあります。「ブラックバイト」「ブラック企業」という単語を身近に聞いていた大学生が、就職すると、ちょっとした不満があっても「自分の会社もブラックなのでは……」と考えてしまうというのは、想像に難くありません。

 ちなみに、今年10月に弊社に転職してくる24歳の若者の前職の退職理由は、「接待が多いから、自分の時間が取れない」というものです。

 ミレニアル世代が会社に求めるのは、ワークライフバランスだけではありません。

 以前の私は、大手のようなブランド力がなくても、ワークライフバランスが飛びぬけて良い会社を作れば、縁あって入社した若者は辞めないと信じ切っていました。有給休暇を全部消化させ、残業時間を少なくし、時給換算すれば大手にも負けないほど給料を良くして、それを採用のセールスポイントにしていました。さらに、社員からの要望で、申請なしで出勤時間を前後30分ずらせる「疑似フレックス制度」や、大雪や猛暑の日など、通勤することによって仕事の効率が悪くなるときに使える「在宅勤務制度」など、“成績さえ出せれば”、とても条件の良い会社を作り上げました。しかし、それだけでは、新卒社員が会社に残り続けることにつながらなかったのです。

 こうした経験を通じて、ミレニアル世代が会社に求める三つ目のポイントは「良好な人間関係」であることがわかりました。なぜ社員たちが辞めていくのかを突き止めるために、それぞれの社員からじっくり話を聞いたのです。その結果、ミレニアル世代の社員は、つくづく、ストレスに弱い、争いが嫌い、優しい、と実感しました。

 

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著者紹介

渡部陽(わたなべ・よう)

キャンパス総研代表、(株)ユーキャンパス代表取締役

1970年生まれ。93年、明治学院大学経済学部卒業後、(株)毎日コムネット入社。2001年、(株)ユーキャンパスを設立し、大学生向けに特化した広告事業を展開。現在までに全国約670大学でのプロモーション実績があり、自身の足で920キャンパスを訪れている。13年3月にサービスを開始したアプリ『サークルアップ』は、全国約3,000の大学サークル、約60,000人の大学生が利用している。
著書に、複数の内定を得た大学生をクローズアップした、オリジナルの切り口による就職活動本『内定ホルダー』(主婦の友社)がある。(株)ユーキャンパス: https://www.youcanpass.net/

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