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最強ファンドマネジャーが考える「人生に本当に必要なお金」

2019年11月13日 公開
2023年02月24日 更新

藤野英人(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者)

不透明な時代の「最強の備え」ってなんですか?

企業の好成績などといった景気の良いニュースとは裏腹に、漠然とした老後不安に現実味が帯びてきた。一体、今、日本で何が起こっているのか? そして、これからの私たちの生活は大丈夫なのか? ビビリな割に何も考えてこなかった編集部Nは不安だらけだ。そこで、「ひふみ投信」のファンドマネージャーであり、投資教育にも注力している藤野英人氏に、日本経済の見通しや不透明な時代に備えるための投資の基礎知識についてうかがった。

 

経済は好調でも好景気を実感できない理由

――景気の良いニュースが聞こえてきますが、正直なところ実感とかけ離れているように感じます。日本経済って本当に成長しているのでしょうか。

藤野 何を見るかによりますね。僕はバブル経済のときは大学生でしたが、その頃も、新聞では「好景気の実感がない」って書かれていましたよ。

――え、バブル期の話ですよね?むしろ、日本経済が絶頂期だった頃だと思うのですが……。

藤野 「実感なき経済成長」とか書かれていたんですよ。その後景気が悪化して、しばらくしてから「あの頃は景気が良かった」ってみんな言い始めました。

 その構図は今も同じです。豊かさの配分が来ない人は満足しない。それから、今恵まれている人も満足していない。どちらも、今ある状態が当たり前だと思うからです。つまり、今の景気に満足する人ってほぼいないんです。

 そもそも、好景気といっても、経済成長率は前年比1%あるかないか。年収300万円の人が3万円増えたとしても、好景気の実感は湧かないですよね。ですから、景気と自分の気分はほぼ関連がないと言えます。

――では、自分で景気をリアルに実感できるようになるためには、どんなことをすればいいのでしょうか。

藤野 適切な場所に身を置くことですね。つまり、株式などに投資をしていたかどうかです。

 アベノミクスによって、株価が全体で約2.5倍成長し、投資をした人たちは、恩恵にあずかることができました。一方で、そのときに行動しなかった人は好景気を実感していません。

 もちろん、リスクを取れば失敗する可能性もある。ですが、リスクを覚悟して挑戦した人だけがリターンを得ることができます。

 ぼんやりと口を開けていただけで、好景気の恩恵に与れるほど世の中は甘くない。そういう時代はいつまでも来ないと思いますよ。

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著者紹介

藤野 英人(ふじの・ひでと)

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者

1966年、富山県生まれ。90年、早稲田大学卒業後、国内・外資大手投資運用会社でファンドマネジャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資教育にも注力しており、明治大学商学部兼任講師、JPX アカデミーフェローを長年務める。『さらば、GG資本主義』(光文社新書)など著書多数。

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