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最強ファンドマネジャーが考える「人生に本当に必要なお金」

2019年11月13日 公開
2023年02月24日 更新

藤野英人(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者)

人生の選択肢のためお金を増やす手段も複数に

――でも、元本割れするリスクはなくならないんですよね? なら、手堅く2000万円を貯金するのもアリかなって思えてきたのですが、それでも投資すべきでしょうか?

藤野 もちろん、無理強いはしないし、答えは長期投資一つだけではない。お金を増やすには①できるだけ長く働く②現役時代にたくさん稼ぐ③支出を抑えて暮らすという選択肢もある。

 ただ、N君。老後2000万円という数字だけに固執していませんか? 今後、どこで、誰と住んで、何をしながら週末を過ごすのか、それは都会なのか田舎なのか。条件が変われば、老後に必要な金額は変わってくる。

 数字に踊らされてはいけません。数字から考えるのではなく、自分の人生のデザインから考えたほうがいい。

 例えば、私は最近地方に古民家を一件購入しました。80人で宴会できるほど広々とした家屋で、倉庫代なども含めて190万円。新鮮な野菜も安価に仕入れることができます。年収300万円もあれば豊かな生活ができる。

 これは一つの例であって、ガンガン稼いで一等地に暮らして遊び倒す生き方もあれば、地方で子供との時間を大切にするマイホームパパになるという生き方もあります。

 すると、今投資が必要なのか、貯金で十分かがわかってくる。つまり、今の自分はどう暮らしていて、今後どう生きていきたいのかという価値観が明確になって初めて、必要なお金がイメージできるのです。

――でも、人生のデザインが今後変わる可能性もあるわけですよね? 

藤野 そう、だから投資という選択肢を捨てるのは早計なのです。もしかしたら、自分の想定している老後の生活は貯金では賄いきれないかもしれない。

 そのときに、お金を増やす選択肢が多いに越したことはないでしょう?お金を増やす手段が多いほど、人生の取り得る選択肢も豊かになるのです。

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著者紹介

藤野 英人(ふじの・ひでと)

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者

1966年、富山県生まれ。90年、早稲田大学卒業後、国内・外資大手投資運用会社でファンドマネジャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資教育にも注力しており、明治大学商学部兼任講師、JPX アカデミーフェローを長年務める。『さらば、GG資本主義』(光文社新書)など著書多数。

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