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最強ファンドマネジャーが考える「人生に本当に必要なお金」

2019年11月13日 公開
2023年02月24日 更新

藤野英人(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者)

投資信託で信頼できるファンドの選び方とは?

――確かに、豆腐のように脆いメンタルの私では逆張りに限らず、リスクに耐えられる自信がありません。止める人の気持ちもわからなくはありません。一歩踏み出せない臆病者のでもできる安全な投資ってないんですか。

藤野 そういう人には、「小さく、ゆっくり、長く」投資することを勧めています。

 小さくというのは、自分のリスク許容度を超えないことです。僕は、「手に汗をかかない感覚を基準に」と伝えていますね。

 よく、「100万円のうち80万の勝負なら博打だが、1000万円の80万円ならダメージは少ない」という論調を耳にします。しかし、実際はそうとも言い切れません。結局、リスクの許容度は本人の感覚によるのです。

 ですから、「元手の何割を運用」と厳密に考えるのではなく、自分の感覚に従って「これくらいなら大丈夫」と思える額を投資するのが大切です。

 次に、ゆっくりというのは、分散投資しましょうということ。何も慌てて勝負して大金を稼ごうとしなくてもいいんです。

 分散投資すれば、ある銘柄が大きく値下がりしても、値動きの違う銘柄も組み合わせることで、リスクを低減させることができます。

 そして、長くというのは、時間を味方につけるということ。投資は、長く続ければ経験値が上がります。

 それによって、投資の変動に慣れ、投資とは何かという自分なりの考え方が醸成されていきます。すると、経験値そのものが財産になるのです。

――なるほど!では、信頼できるファンドの見分け方はありますか?40代は時間がないので投資信託を選ぶ人が多いのではないかと思うんです。

藤野 一つは、つみたてNISAの対象から選びましょう。毎月分配型でない、手数料が高すぎない、など良心的なファンドが選ばれているからです。

 また、自分が納得できる解説をしている専門家が選んだ投資信託を選ぶという方法もあります。まったく投資信託をやったことがない人に、ベストな商品は選ぶのは難しい。

 だから、自分が信用できると思った人の選んだ商品を選ぶというのが妥当だと思いますよ。

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著者紹介

藤野 英人(ふじの・ひでと)

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者

1966年、富山県生まれ。90年、早稲田大学卒業後、国内・外資大手投資運用会社でファンドマネジャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資教育にも注力しており、明治大学商学部兼任講師、JPX アカデミーフェローを長年務める。『さらば、GG資本主義』(光文社新書)など著書多数。

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