2019年10月30日 公開
2023年03月31日 更新
たった一人、自宅で創業から10年以上。オフィスを構え、社員が集い増えることで、増床もしました。
決して順風満帆ではありませんが、過去を振り返る余裕ができた今、「会社員時代にやっておけばよかった」と思うことがあります。
それは、ビジネススクールで学ぶとともに、他部署の経験を積んでおくことです。
ビジネススクールがムダなわけではありませんが、そこで学ぶのは大企業がモデルのスキーム。ベンチャーや中小企業には合わないものが多い。
実務の知識が必要ならば、ヒントはむしろ現場に転がっています。今いる会社こそが学びの宝庫なのです。
とはいえ、多くの会社員は、ビジネスの流れの0~10ある仕事のうち、一部を深掘りしているだけです。その経験値には価値がありますし、強みになります。
ですが、起業後は0から10まで全部カバーしなければならないため、これだけでは通用しません。もちろん、わからないことを担ってくれる社員が都合よく雇えればよいですが、そんなうまい具合にはいきません。
例えば、マーケティングコンサルタントで独立するにしても、営業や経理、法務の知識なども必要でしょう。強みを活かすには、深掘りしたスキル以外の経験も積んでおくことが重要です。
ただ、自分に何が足りないかわからない人も少なくないはず。
私は、そうした方にプチインターンシップをお勧めします。自分の仕事が社外で通用するのか腕試ししてみるのです。起業家の知り合いがいるのなら大チャンス。
膨大な仕事が転がっていますから、自分の実力を知る機会は無限にあります。働き方改革で副業を認める会社も多いはず。
この追い風を活かし、どんな薄給でも働かせてもらいましょう。たとえ無給でもよいと思います。会社員でありながら、独立の修業ができるのですから。
また、足りないスキルがわかっているのなら、異動願いを出してみるのも手です。と言いたいところですが、ミドル世代は独立までにそんな時間はない人も多いでしょう。
そんなときは、他部署に丁稚奉公しましょう。あなたがスタッフやエンジニアなら、営業の仕方を隣で見学させてもらうだけでも、勉強になるはずです。
まぁ、最近はそんなことをしなくても、他部署の仕事を手伝う機会はいくらでもあります。
現場では人手不足。大量の事務仕事に苦しんでいるはずです。そうした他部署の仕事を積極的に手伝って、「どのような仕組みで成り立っているのか」を考えながら仕事するのです。
すると、すべての仕事が学びに変わるので、働き方が能動的になりますし、自ずと専門分野以外のスキルも身につきます。
さらに、他部署の気持ちもわかるようになり、全体最適を考える経営者目線も身につきます。
仮に独立に失敗しても、能動的に行動する経営者視点を持つ人材は、市場価値が高いので、再就職しても有利に働きます。
転職や独立をせずとも、今の会社での評価が上がることもあるでしょう。独立を意識して働くだけで、これだけのメリットがあるのです。
更新:11月22日 00:05