2019年11月24日 公開
2023年08月07日 更新
経理職向けには、会計分野の代表的な資格から、ワンランク上を目指すためのIR関連資格やグローバル会計に対応した資格まで取り上げる。事務職では、事務作業の効率化に役立つパソコンスキルや、職場で重宝されるオフィスに関する資格をピックアップ。
簿記は、企業の経営活動を記録する技能のこと。会計分野で代表的な資格といえば、簿記検定です。経理職はもちろん、ビジネスマンの教養としてもぜひおさえておきたい資格です。これまでに2,600万人以上が受験しており、知名度やネームバリューが高いので、取っておいて損はないでしょう。(鈴木氏)
上場企業に義務づけられているIR活動に関連して、連結財務諸表の作成および開示能力を高め、各種開示書類に関する専門的な知識について学ぶことができます。日商簿記検定の合格後に、目指してみるのも良いでしょう。経理のスペシャリストを目指す人向けの、アドバンスな内容です。(鈴木氏)
英語による会計取引と、その応用的な知識である国際会計理論の理解度を問う検定です。ビジネスシーンに必要な英語力と、IFRS(国際会計基準)による会計スキルの両方が身につきます。日本で国際的な会計基準への統合が進む中、国際会計スキルを持つ人材のニーズが高まっています。(高島氏)
マイクロソフトオフィスのアプリケーションの実践的なスキルを問う試験です。ワードやエクセルの実務スキルを向上したい人に向いています。日常業務では限定的な機能しか使用していない人には、発展的な機能や使い方について知るきっかけにもなります。(鈴木氏)
MOSのアドバンス版で、マイクロソフトのエクセルやアクセスにおいて使われるプログラミング言語「VBA」の活用法を学べます。簡単なプログラムを組んで作業を高速化・自動化したり、人力では難しい処理を実装したりできるので、職場で重宝されるスキルです。(鈴木氏)
筆できれいな文字を書く技能を磨くことができる資格です。賞状や目録、得意先への挨拶状や案内状、年賀状など、毛筆が求められる場面できれいな文字が書けると社内でも重宝されます。毛筆書写技能検定では、筆順や部首の名称など漢字についての知識も学べます。(鈴木氏)
数多くの資格を取得し、資格コンサルタントとして活躍する高島氏と鈴木氏に、自身の資格の活かし方についてうかがった。
高島氏は、経営していた編集プロダクションを後輩に譲った53歳のとき、老化防止を兼ねて資格を取り始めた。資格をもとに事務所を開設し、実務家として生きる選択肢もあったが、高島氏はそうしなかった。
その代わり、「私には執筆という武器があったので、資格と結びつけて資格評論家という新しい仕事を始めました」(高島氏)と振り返る。
一方、学生時代から趣味で資格を取り始めた鈴木氏は、現在、600以上の資格を持つ。「私の場合は、コレクターやゲーム感覚で取り組んでいます。資格を数多く持っているという唯一無二の特性を活かして、仕事につなげています」(鈴木氏)と話す。
サラリーマン時代の飛び込み営業では、「様々な業界の知識を身につけていたので、どんな企業に行っても普通に話ができることが大きな武器になりました」(鈴木氏)。資格の活かし方は人それぞれ。あなたも自分なりの活かし方を考えてみてほしい。
営業職向けには、コミュニケーションスキルを測る資格や、雑談のネタになる趣味系の資格、接待やおもてなしに役立つ資格を厳選。海外勤務では、英語などの語学スキルの他、海外に住むにあたり知っておきたい各国の歴史や文化、しきたりに精通できる資格も紹介。
机上の勉強でコミュニケーションスキルがどのくらい身につくのか疑問に思う人もいるかもしれませんが、ビジネスにおける様々なコミュニケーションの具体的な事例から、適切な対応や考え方が学べるようになっています。初級と上級があり、上級には面接試験が課されています。(鈴木氏)
全国の特産品・郷土料理・伝統工芸品や、それに関連する観光知識を測る検定です。知る人ぞ知る名産や隠れた名所を知ることができるので、贈答品を送る際にも、相手にゆかりのある気の利いた品物を選ぶことができるようになります。ちょっとした気遣いで差をつけられるのでお勧め。(鈴木氏)
接待や雑談に役立つ資格として、趣味系の資格はお勧めです。取引先の担当者や、お近づきになりたい社内の上司や役員などの趣味を把握しておき、それに関する検定を受けて知識を仕入れておくと、会話が弾むこと間違いなしです。ウイスキーやビールなどの知識は教養にもなります。(鈴木氏)
「英語が多少できる」くらいの人は珍しくないので、まわりと差別化するためにも、英語以外の外国語のスキルを磨いてはどうでしょう。自分を「ひと味違った人材」としてアピールできます。(鈴木氏)
中国語検定HSKは、中国政府公認の中国語資格であり、一方の中国語検定試験は、日本中国語検定協会が主催しています。今や「中国がしゃっくりをすれば、日本は胃が痛む」と言われるほど、密接な関係にある日本と中国。中国語の重要性が増すにしたがい、語学検定の受験者も年々増えています。(高島氏)
日本人だけで年間約250万人が受験するテストで、英語で聞く・読む能力を測るListening & Reading Testと、英語で話す・書く能力を測るSpeaking & WritingTestがあります。受験者が圧倒的に多いのは前者です。日本人が苦手な「話す・書く能力」を磨くためにも、後者にもぜひ挑戦してみてください。(高島氏)
英語圏の大学や大学院に留学する際に必要なテストですが、ビジネスパーソンも受験できます。そのスコアは約130カ国で英語能力の証明として使われており、"国際標準の英語"がウリ。試験はパソコンを通じて英語のみで行なわれる。TOEICだけでなく、TOEFLにも挑戦してみてはどうでしょうか。(高島氏)
アジアを中心とした各国の歴史文化や経済などの知識が学べる検定です。国ごとに分かれていて、インドネシア検定、タイ検定、ベトナム検定、韓国検定、ロシア検定、台湾検定、マレーシア検定と、国旗の試験区分があります。子供の受験者が多いのが特徴ですが、勉強する内容は大人にも役立ちます。(鈴木氏)
プロトコール(国際儀礼)に関する知識を問う内容で、海外のテーブルマナーや宗教に応じた対応、国旗の扱い方など国際的なマナー知識を学べます。海外出張が多い人や、海外の顧客を接待する機会の多い人はぜひ身につけておきたい知識です。(鈴木氏)
更新:11月24日 00:05