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「ハイパフォーマンス睡眠」なら、仕事も人生もうまくいく!

2019年10月15日 公開
2023年02月24日 更新

山口真由子(睡眠栄養指導士協会代表理事)

「寝つきが良すぎる」のも問題だった!

グラフを見るときにチェックすべきポイントは三つあります。

一つ目は、寝つくまでの時間です。

先ほど「寝つきがいいから大丈夫」と思っている人が多いと言いましたが、実は寝つきが早すぎるのも問題です。本来なら、ある程度の時間をかけて呼吸や脈拍のペースを落としてから寝つくのが、身体に負担のない眠り方です。

寝つくまでの時間は、16分前後が理想と言われています。もしあなたが8分以内に寝ているなら、睡眠負債が蓄積しているサイン。寝不足や睡眠の質の低下が続いたから、身体が睡眠を欲して布団に入ると気絶したように眠ってしまうことが多いのです。もちろん寝つきが悪いのも問題で、眠るまでに30分以上かかる人は不眠症の診断基準に該当します。

 

深い睡眠と浅い睡眠は2:1がベスト

二つ目は、睡眠の深さと浅さのバランスです。

深い睡眠と浅い睡眠では役割が違うので、両方のバランスが大事です。
深い睡眠中は、成長ホルモンが分泌されて組織の修復や回復が行なわれたり、脂肪が分解されたりします。一方、浅い睡眠中は、情報の整理や記憶の定着が行なわれます。深い睡眠と浅い睡眠の割合は「2:1」がベストです。

そして三つ目が、睡眠の深さの状態です。実はこれが非常に重要であり、かつ乱れている人が多いポイントでもあります。
理想的な睡眠は、最初の90分で最も深い睡眠に到達し、その後は睡眠の深さが徐々に浅くなります。それにともない、身体が起きる準備をするために体温や血圧なども上がっていくので、スムーズに目覚められるのです。

ところが最近は、睡眠がずっと深いままだったり、逆に最初が浅くて段々と深くなっていったりするケースが増えています。睡眠の後半になっても深い状態のままだと、身体が起きる準備をしないまま、いきなり目覚まし時計で叩き起こされることになります。だから日中眠くなったり、疲れが取れなかったりするわけです。

睡眠が浅くならない原因で多いのは、コルチゾールの乱れです。これは副腎から分泌されるホルモンで、脳を覚醒させる働きがあります。本来なら朝が一番多く、夜になるにつれて減っていくのが自然です。しかし近年は、夜にコルチゾールが多く分泌され、朝の分泌が少ない事が特徴の「副腎疲労」と呼ばれる症状が増えています。コルチゾールの分泌を正常にすることは重要です。

副腎に不調が起こる主な原因は、ストレスや睡眠不足などです。ただ、ストレスを減らすのは容易ではありませんし、仕事が忙しい人が急に睡眠時間を増やすのも難しいでしょう。よってコルチゾールの分泌を改善するには、栄養療法が現実的です。

副腎疲労の回復に効果的なのはビタミンBとCなので、食事やサプリメントで積極的に摂取しましょう。精製した砂糖や小麦、乳製品やカフェインは、副腎を疲れさせるので副腎疲労の傾向がある方はできるだけ控えることをお勧めしています。

 

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著者紹介

山口真由子(やまぐち・まゆこ)

睡眠栄養指導士協会代表理事

1984年、福岡県生まれ。立教大学卒業後、大手金融機関に入社。睡眠時間を削りすぎて健康の危機に瀕したことで睡眠学を学び、「ハイパフォーマンス睡眠」のノウハウを確立。2014年から「ハイパフォーマンス睡眠セミナー」を開始し、17年には年間100回開催、合計3,000人以上が参加。また、月間最大80人に睡眠のパフォーマンスを上げるための個別コンサルティングを行なう。著書に、『3時間の睡眠で8時間分のリフレッシュができるハイパフォーマンス睡眠』(マネジメント社)がある。

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