2019年10月15日 公開
2023年02月24日 更新
睡眠不足の現代人は多いが、睡眠時間を増やすことは難しい。では、せめて質を高めるにはどうすればよいのか。そもそも、質の高い睡眠の条件とは。「ハイパフォーマンス睡眠」のノウハウを伝道する山口真由子氏に、睡眠のパフォーマンスを上げる方法についてうかがった。(取材・構=塚田有香)
※本稿は、『THE21』2019年10月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。
働き盛りでオーバーワークになりやすい30代や40代は、睡眠時間が不足したり、睡眠の質が乱れたりしがちです。ところが本人は、それを自覚していないことが多いようです。
多いのが、「自分は寝つきがいいから問題ない」と思っているケースです。しかし、睡眠に問題があって相談に来られる方のうち、寝つけないタイプの不眠は全体の1割以下。それ以外のタイプが圧倒的に多いのです。
例えば、「日中に眠くなる」「寝ても疲れが取れない」「二度寝、三度寝をしてしまう」という人は、睡眠障害やその予備軍の可能性があります。「昼間に眠くなるくらい、大したことではないだろう」と思うかもしれませんが、本来なら活動的であるべき時間帯に覚醒が維持できないほどの睡魔が押し寄せるのは、健全な状態とは言えません。
睡眠の質が悪いと、脳の前頭葉の機能が低下して、集中力や注意力が低下します。また、睡眠不足や睡眠の質の低下により、糖尿病や高血圧、がんやうつ病など様々な病気のリスクが高まるというデータもあります。さらには、睡眠不足の人は他者との交流に消極的になったり、他人と関わることに恐怖を感じやすくなるという研究結果もあり、人間関係やコミュニケーションにまで悪影響を及ぼすことがわかっています。睡眠の質が人生の質を決めると言っても過言ではありません。
よって、まずは自分の睡眠に問題があると認識することが大事です。先ほど挙げたような日中の眠気や疲れがあったり、朝起きるのがつらいという人は、一度自分の睡眠状況を測定してみてください。今は睡眠の状態をわかりやすくグラフ化してくれるスマートフォンのアプリが色々とあります。
更新:11月24日 00:05