2019年05月08日 公開
2023年03月02日 更新
最近、新たに続々と登場しているキャッシュレス決済サービスは、スマホを使ったものです。スマホが誰もが持つものになったことで、様々な企業が参入しています。
Apple PayやGoogle Payは、「カードをスマホに入れる」という発想でできたサービスです。
これらは、スマホをリーダーにかざすことで決済できるので、使い方は電子マネーと近いのですが、大きな問題は、お店などの事業者がリーダーを設置しなければならないことです。
そこで、リーダーが不要なスマホ決済として、QRコード(またはバーコード)による決済が登場しました。
しかし、QRコード決済は、従来のキャッシュレス決済と、使い方が大きく違います。
いざ使ってみれば、便利なものではあるのですが、メールアドレスやSNSのIDをQRコードで交換することに慣れている若い世代ならともかく、多くの人にとっては、使い方がわからないでしょう。「コストが安い」というサービス提供者側の論理で作られたもので、利用者の側に立っていないサービスだと、私は思っています。
実際、話題性の割には、利用者が増えていません。QRコード決済に参入した各社も、誰もが使うサービスにしようというよりは、一部の人に使ってもらえばいいと考えているのではないでしょうか。
Apple PayやGoogle Payの利用も、一部の人だけに留まっています。キャッシュレス決済のサービスは多様化しながらも、中心は誰もが使えるカードタイプという状況が続くでしょう。
「中国ではQRコード決済が普通になっているじゃないか」と言われるかもしれませんが、そうなっている国は、世界でも中国などの一部の国に限定されます。
スマホ決済ということで言えば、インドやケニアも進んでいますが、「おサイフケータイ」がある日本も、世界の中ではかなり進んでいるほうです。少なくとも先進国においては、キャッシュレス決済といえば、スマホ決済よりもカード決済なのです。
北欧では、外出するとき、念のために現金も持って出たけれども、帰るまでまったく使わなかった、という生活をしているくらいキャッシュレス決済が普及していますが、多いのはデビットカードなどのカードでの利用です。
さて、QRコード決済とひと口に言っても、様々な種類があります。例えば、LINE Payが銀行口座やコンビニから事前にチャージしておくプリペイド式なのに対して、横浜銀行の「はまPay」は銀行口座からの即時払いです。Origami Payは、クレジットカードからの支払いか、銀行口座からの即時払い。PayPayはプリペイド式ですが、不足分はクレジットカードからの支払いになります。
これらのうち、どれが生き残るのかはわかりませんが、大々的にキャンペーンをしているPayPayや、LINEに付随しているLINE Payが有力ではないでしょうか。細かいサービスの違いで選ぶ人も中にはいるものの、認知度で選ぶ人が多数だと思います。
多くの種類のクレジットカードに対応している楽天ペイやAirPay(リクルートライフスタイル)も有力ですが、各社とも、対応する支払い方法は増やしていくでしょう。
更新:11月22日 00:05