2019年04月02日 公開
2023年03月10日 更新
ただ、いずれにしろ、その人の担当する業務が年休を取ろうとする日の業務運営に不可欠で、代わりの人を確保するのも困難であることが条件です。単に忙しいというだけでは、「時季変更権」行使の正当な理由にはなりません。
たとえば、その社員が情報システム部に所属しており、毎月最終日に行うシステムの更新作業はその人がいないと進めることができないという状況だとすれば、月の最終日にその人が休みたいと言ってきても、会社側は「別の日にずらしてほしい」とお願いすることは、認められると考えられます。
ただし、その作業ができる人が他に何人もいる、という状況で、「いなくても大丈夫だが、いてくれたほうが助かる」というくらいなら、時季変更権を行使するのは難しいでしょう。
さて、このルールによれば1年に最大20日ほどの年休を取得できるようになるわけで、そのタイミングも働く人が自由に選ぶことができます。にもかかわらず、日本人の年休の平均消化率は50%程度。つまり、日本のビジネスパーソンは年休を半分くらいしか取っていない、ということなのです。
海外の、特に、ヨーロッパの人は年休をほぼ使い切るのが普通です。日本人はその点、義理堅いのか、それとも休むことに罪悪感を抱く人が多いのか、はたまた仕事が多すぎるのかわかりませんが、年休取得率がなかなか上がらない。そのため、法律で半ば強制的に年休を取らせるというのが今回の法改正ということで、日本ならではの特殊事情ということになるかもしれません。
更新:11月22日 00:05