2019年02月24日 公開
「仕事が終わらなければ、残業してやればいい」と考えている人もいますが、時間は無限にあるわけではありません。限りあるリソースです。ですから、そのリソースをどう使うかは、あらかじめ計画しておかなければなりません。
つまり、いつ、どのタスクをやるのかを、スケジューリングするのです。具体的には、1週間の「時間割表」を作ってしまいましょう。
もちろん、予定になかった仕事が割り込んで来たりすることもあります。ですから、毎日、時間割表を見直すことも必要です。すると、「このタスクが翌日にズレると、もともと予定していたタスクをその翌日にズラさないといけないから、あの人に伝えておかないと」といった判断もできます。
実際にタスクをやってみると、かかった時間が見積もっていた時間と違うことがあります。特に、初めてやるタスクだと、誤差が大きいでしょう。
その誤差は、きちんと把握することが重要です。そうすれば、次回は見積もりの精度を高めることができます。また、かかる時間が前回よりも短くなっていれば、自分のスキルが向上していることを自覚することにもなります。
私は、タスクにかかる時間を高い精度で見積もれるのがプロフェッショナルであると考えています。
タスクをしていて、確認したいことや、わからないことが出てきたら、定例のミーティングなどを待たずに、すぐに上司などに相談しましょう。上司としても、部下がすぐに相談してくれたほうが安心できます。
相談のポイントは、短くすることです。私はこれを「小口化」と呼んでいます。
当社の社員はリモートワークをしていますが、長々としたメールでの相談は、書くのも読むのも時間がかかります。また、例えば、「月曜日の13時はどうでしょうか? もし都合が悪ければ火曜日の10時~12時の間か……」というように、プログラミングで言えば条件文にあたる文章が増えてしまう。チャットなら、「月曜の13時はどうでしょうか?」とだけ相手に送って、その返事次第で、次に送るひと言を考えればいいので、相談に適しています。
また、気軽に相談がしやすい雰囲気を普段から作っておくことも重要です。そもそも、報告や連絡は事実を伝えるだけでいいのに対して、相談はそれでは済まないので、ハードルが高い。
そこで有効なのが、雑談です。雑談から入って相談をしたり、相談をしている途中に雑談を交えたりと、雑談と相談を区別しない風土を作りましょう。私はこれを、「ホウレンソウ(報連相)よりザッソウ(雑相)」と呼んでいます。
雑談が苦手な人もいますが、「最近、仕事どう?」「忙しい?」「調子いい?」というような声をかけるだけでいいのです。共通の話題をわざわざ用意したりする必要はありません。
いったん立ち止まって仕事の進め方を見直す機会も、定期的に設けましょう。見直すことの重要性はわかっていても、なかなかできないことなので、週に1時間など、スケジュールに組み込んでおくといいでしょう。
ここで使えるフレームワークが「KPT」です。良かったやり方を残し(Keep)、問題(Problem)を洗い出して、その問題を解消するために次回に試みること(Try)を考えるのです。
見直しを繰り返していくと、タスクにかかる時間が短くなり、余裕が生まれます。余裕ができてこそ、できる仕事が増える。より多くの仕事をするためには、働く時間を増やすのではなく、労働生産性を上げて余裕を生むことが大切なのです。
更新:11月22日 00:05