2019年02月25日 公開
2023年03月10日 更新
実際の場面で英語を使えるようになるためには、伝えたいことが口から瞬間的に出てくるようにならなければならない。ある程度、英語が身についても、これはなかなか難しいが、「瞬間英作文」という勉強法によって鍛えられるという。考案した森沢洋介氏に、その方法を聞いた。
受験勉強のおかげで難しい構文もわかるし、英単語もある程度知っているのに、いざ話そうとすると簡単な英文さえ口から出てこない――。そんな人は多いと思います。
つまり、英語を話すためには、英語が「わかる」だけでは不十分だということ。そこから英語が「できる」状態へと変えるための効果的な学習トレーニングが「瞬間英作文」です。
その方法はとてもシンプル。中学校で習うレベルの簡単な英文を、即座に、そして大量に、声に出して作るというもの。これを繰り返すことで、言いたいことをすぐに言うための「英作文回路」が頭の中に作られます。
「中学英語なんて、もうわかっている」と思うかもしれませんが、先ほど言ったように、「わかる」と「できる」の間には天と地ほどの差があります。私自身、それを痛感したことが、この「瞬間英作文」を生み出すきっかけになりました。
私は20歳過ぎから本格的に英語の勉強を始め、音読を中心としながら、ペーパーバックや英字新聞などをたくさん読みました。そのことで、英語の基礎力はかなりついたという自信がありました。
『Newsweek』や『Time』も英語で読めましたし、英語のニュースやインタビューもかなり聞き取れるようになりました。
ところが、英語を話そうとすると、簡単な文章さえ出てこないのです。
例えば、日本語を話す外国人に会って、「日本語がお上手ですね。どれくらい勉強したのですか?」と言いたいときに、「You speak Japanese very well.」まではなんとか言えるのですが、そこからが大変です。
「どのくらい」だから、「How much」か? いや、長さを聞くんだから「How long」だな。次は「you study」で……違うぞ、疑問形だから「do you study」にしなくちゃ。おっと、過去形だからdoではなくてdidにしないと。待てよ、この場合は現在完了形になるのか……?
こんなことを頭の中でぐるぐる考えながら話そうとするので、会話のスピードにまったくついていけず、自分が言いたいことも正しく伝わりません。こんな体験を何度もした末に、私は、「英文を反射的に作る力を養うしかない」と考えました。
そのための勉強法として、私が参考にしたのが「短文暗唱」です。
これは古くからある外国語の習得法で、簡単な文章を機械的にたくさん作って暗唱するというものです。
当初は単調でつまらない勉強法に思えて敬遠していましたが、「どうしても英語を話したいなら、これしかない」と腹をくくって取り組んだところ、自分でも驚くほどの劇的な効果が出ました。始めて半年もしないうちに、基本的な文型がスラスラ口から出るようになり、その後、英語圏で暮らすことになった際も、ネイティブと十分にコミュニケーションが取れて、仕事や生活をするうえでまったく不自由しませんでした。
更新:11月22日 00:05