2019年02月08日 公開
2023年03月10日 更新
では、ラテラルシンキングは、どうすればできるのか。
型にはまらない発想がラテラルシンキングですから、「こうすればいい」という型は存在し得ないのですが、コツはあります。
それは、
(1)前提を疑う
(2)抽象化する
(3)セレンディピティを活かす
です。
iPhoneは、(1)によって生まれた製品の典型例です。携帯電話メーカーがどこも「ボタンの使いやすさが重要だ」と考えていた中、ジョブズは「いっそボタンをなくしてみよう」と考えて、iPhoneを作りました。
当たり前だと思われていること、重要視されていることを、あえて「なくしてみたら?」と考えると、新しい発想が生まれるのです。
(2)の「抽象化」は、あるモノや事象と、それとは遠くかけ離れたモノや事象との間に、共通性を見つけ出すことです。
先ほどの「どん兵衛タクシー」は、インターネットとタクシーという、一見、まったく違うモノの間に、「広告媒体」という共通性を見出したことによって生まれました。
抽象化する力を鍛えるためには、普段から、まったく違うものの間に共通性を見つけ出すトレーニングを積むのがいいでしょう。
テーブルの上に置いてあるコップとボールペンが目に入ったら、その共通性を考えてみる。すると、例えば、「中身がなくなったら、入れ替えて使うもの」という共通性に気づけるかもしれません。
こうした思考回路を鍛えると、新規ビジネスを着想する力がついていきます。
(3)のセレンディピティとは、「思わぬ偶然」のこと。偶然、何かが起こったら、新しいひらめきを得るチャンスです。
とりわけひらめきが起こりやすいのは、トラブルやハプニング。「ピンチのときに苦し紛れに考えついたことが、意外と名案だった」というケースは多いものです。
失敗もチャンスです。その場しのぎで対応した方法を、「その後も活かせないか?」と考えるクセをつけましょう。
偶然、情報が目に入ってくるのを待つのではなく、「偶然を拾い出す」習慣をつけるのも有効です。「今日は店の看板を意識する」「今日は風邪薬に注意する」などとテーマを決めておくと、それに関する情報が自然と目につきます。
このときも、自分の業界に直結しないモノに注目するのがいいでしょう。そうしたほうが、自分の業界の中からは生まれない、新しい発想を得やすくなります。
もちろん、何かをひらめいても、すぐにビジネスに活かせることは少ないと思います。しかし、何年後かになって活かされることは多々あります。
ですから、それに備えて、メモを取っておくこと。私は、考えついたことをエバーノートに書き溜めるようにしています。
更新:11月25日 00:05