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ズルい! 発想術

2016年03月02日 公開
2023年05月16日 更新

加藤昌治(博報堂PR戦略局)

限られた時間でもアイデアは量産できる

「明日までに、新商品のアイデアを10本考えておいてくれないか」。上司や取引先からのムチャ振りで、短い時間に多くのアイデアを求められることは少なくない。時間が限られる中、アイデアを量産するにはどうすればいいのか。『発想法の使い方』などアイデア発想に関する著書を多数持つ㈱博報堂の加藤昌治氏に、その要諦をたずねた。

 

「すごいアイデアを」という発想を捨てる

 思考ツールに関する本を多数書いているからか、「斬新なアイデアを効率よく生み出す思考ツールはありませんか?」と聞かれることがよくあります。しかし、ツールよりも大切なことがあります。それは「斬新なアイデアを生み出そう」という考えを捨てることです。

 私は広告会社で20年以上企画職に携わり、何百人もの人々と企画打ち合わせをしてきました。また、アイデア出しのワークショップも主宰しています。その中で実感したのは、斬新なアイデアを次々と出す人などほぼいない、ということです。一発ですごいアイデアを出すのは、一握りの天才だけ。普通の人は、アイデアを20~30個出したうち、面白いアイデアが1つか2つあれば、上出来でしょう。

 ですから、「斬新なアイデアがすぐ出てこない」と思い悩む必要はまったくありません。

 平凡でも、つまらなくても良いので、とにかくたくさんのアイデアを出すことです。たとえば、新しい携帯電話を開発するとしましょう。「ボディが透明」「長さが5㎝」「夜道で光る」など思いつくままに描き出します。

 そんな姿勢で、気楽にアイデアを描き出していくと、1つや2つは光るものが出てくるもの。これなら、気軽にできるはずです。

 それでも思い浮かばなければ、思考ツールの出番です。「これさえあれば誰でも良い発想が思い浮かぶ」という万能なツールはありませんが、いろいろと試してみると、自分に合ったツールが見つかるはず。

 思考ツールは無数にありますが、ここでは「属性列挙法(図1)」「パーソナルアナロジー法(図2)」「マンダラート法(図3)」をご紹介しておきますので、参考にしてみてください。

著者紹介

加藤昌治(かとう・まさはる)

〔株〕博報堂PR戦略局 部長

1970年、大阪府生まれ。94年、〔株〕博報堂入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画を立案、実施する毎日。著書に『考具』『チームで考える「アイデア会議」 考具応用編』(ともにCCCメディアハウス)などがある。

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