2018年12月19日 公開
リフォームの際の注意点についてポイントを絞って解説。マンションの場合は、まずは構造や規約の確認からだ。
重視すべき注意点は二つ。一点目は壁の構造の確認。基本的に大きな間取り変更ができるのは、室内がコンクリート壁で囲まれていて住居が柱と梁で支えられており、間仕切り壁が木や軽量鉄骨でできているマンション。柱や梁を使わずコンクリート壁で躯体を支える「壁式構造」(主に5階以下の低層マンションに用いられることが多い)はこのコンクリート壁を撤去するリフォームはできない。この点について、事前に確認が必須だ。次は床下と天井裏に空間があるか確認を。築30年以上の古いマンションの場合、コンクリートの床の上に直接カーペットが貼ってあったり、天井面も直接塗装がされていて空間がないケースも見受けられる。
「床下と天井裏に空間がないと、キッチンを移動する、天井裏にダウンライトを埋め込むといった工事をするときに新たな空間を作らなければならなくなります。床を新たに組んで高さを上げ、天井裏にも空間を作ると天井高が低くなり、狭さを感じる室内になることもあります」(Yuu氏)
リフォーム費用も増額となるため、二重床と二重天井がベター。ただし、リフォームは工夫次第。たとえば対面式キッチンにしたいが配管の都合でリフォームできないというときは、キッチンはそのままで反対側に作業カウンターを設置するなど、ひと工夫で理想に近い間取りを作ることもできる。
購入前にマンション管理会社か管理組合に管理規約と使用細則を聞き、リフォームできる箇所のチェックをしておくこと。
「実際にあったケースでは、浴室のドア枠の交換禁止という規約がありました。以前、リフォーム業者が交換に失敗して下の階に水漏れしたために決められたそうです。規約の改正を希望する場合は理事会に申し立てを行ない、議決にかけてもらうなどの必要があります。意外な規約が存在することもあるため、必ず確認しておきましょう」(Yuu氏)。
マンションは専有部分と共用部分に分かれており、その権利関係等は「建物の区分所有等に関する法律」、通称区分所有法に定められている。
専有部分は規約に沿ってリフォームを行なえるが、共用部分はリフォームできない。専有部分とは、簡単に言えばコンクリートに囲まれた内側。共用部分とはコンクリートを含む外側と、平面図や設備図では「PS」の略号で記載されている配管スペースも含まれる。
玄関ドア、サッシとベランダの3箇所も共用部分だが、これらは特定の人(その部屋の持ち主・住人)しか使わないので「専用使用部分」と呼ばれ、メンテナンス(割れたガラスの交換、網戸の張り替え、サッシの戸車の交換、鍵の交換など)は許可されている。
忘れがちだが、外壁の塗装や配管修理など、マンションの共用部分をリフォームする大規模修繕の時期と重ならないように計画を。重なってしまうと駐車場が使えなくなったり、材料の搬出等でトラブルになったりすることがある。
更新:11月22日 00:05