2018年05月26日 公開
2023年03月14日 更新
東京大学在学中に学習塾を立ち上げて10年。実業家として教育業界に旋風を巻き起こし続ける清水章弘氏が手がける事業は、学習塾経営や公教育支援、講演など多岐に渡り、勉強本でもベストセラーを多数上梓している。その多忙な日々を支えるのは、10代で考案した整理術――身の回りのみならず、タスクや思考の整理も含めた「時間捻出のワザ」だ。だが、それは単なるテクニックではなく、ひとつの「仕事哲学」を形成するに至っているという。
学習塾の運営を中心に、多角的に教育事業を展開する清水章弘氏は、「デスクの整理」に並々ならぬこだわりを持っている。その目的は「時間を生み出すこと」であり、原点は高校時代にあるという。
「海城中学・高校在学中は生徒会長と応援団長を務め、他にサッカー部の活動、文化祭実行委員なども行なっていました。それらと並行して東大を目指す――となると、時間が圧倒的に足りないわけです」
そこで、時間を捻出するために行なったのが、日常の行動の洗い出しだった。結果、探し物や準備といった時間に、想像以上に時間が取られていることがわかった。
「これらをカットするにはどうしたらいいか。その結論が『身の回りをシンプルにする』ことでした。余計なモノを持たなければ必要なモノがすぐに見つかるし、準備に時間もかからない。そのぶん時間を作れると考えました」
そこでまず、実践したことがある。それが「小さくしてみる」という発想で身の回りのモノを見直すことだ。
「まずは一番自分の近くにあった『筆箱』を、思い切って小さいサイズのモノに変えてみたのです。すると、必要なものだけを厳選して入れることになったため、モノが整理でき、しかも必要なものがすぐに取り出せる。筆箱の中をゴソゴソ探るような時間のロスもなくなりました。
その後はこうした小さな整理整頓を、カバンの中、デスク、そして自室と、徐々に範囲を広げていきました。その結果、いつのまにか身の回りのモノがすべてシンプルになり、時間を最大限に有効に使えるようになったのです。
整理のコツは、手元にある小さなモノを、さらに小さくしていくことから始めるといいと思います。それによって、無理なく整理整頓の習慣が身につくのです」
こうして多忙な中でも東大に見事合格した清水氏は、整理の別のメリットにも気づいたという。
「モノを少なくするためには、要不要の判断を繰り返さなくてはなりません。それが決断力や思考力を高めてくれたようで、勉強の効率も上がっていったのです」
更新:11月22日 00:05