2018年10月16日 公開
2018年10月18日 更新
これから先、日本や世界、また様々な社会の仕組みはどう変わっていくのか。来る未来を予測し、備えることができる本を紹介する。
『インド・シフト』
武鑓行雄著
PHP研究所/1,944円(税込み)
今後、インドが世界をリードする!
今、世界のトップ企業はこぞってインドで拠点開発を進めている。なぜ世界は“インド・シフト”を進めるのか、そして日本企業はどうすべきかのヒントを示す。
「歴史を振り返れば、世界の中心は常にインドと中国でした。だから、今後はそこに戻るだけとも言える。そもそもGDPは人口×生産性で決まるので、2030年に15億人を超えると予想されるインドに日本が勝てるわけがない。しかもインド人は頭脳明晰で英語も堪能。新興のIT産業ならカースト制度も関係ないので、今まで身分差別されてきた層が高いモチベーションで参入してくる。これを読めば、『これから投資するならインドしかない』と確信できるはず」(土井氏)
『ピーター・ティール』
トーマス・ラッポルト著 赤坂桃子訳
飛鳥新社/1,700円(税込み)
時代を勝ち抜く戦略と思考とは?
ペイパルの共同創業者であり、フェイスブックを創業初期から支える大物投資家であり、トランプ政権に多大な影響力を発揮して「影の大統領」と呼ばれるピーター・ティール氏の戦略と思考に迫る。
「シリコンバレー的な拡張思想を知るには最適な1冊。日本人は生真面目なので、地道にコツコツ努力して階段を一歩ずつ上がっていくような成長しかイメージできないが、現在のネットワーク社会は“べき乗”の世界。つまり、どこかの時点で急激な成長を遂げるのです。この世界で生きていくには、階段状の成長しかなかった時代とは違う考え方が必要となる。思考の切り替えを促すきっかけを与える1冊です」(土井氏)
『これからを稼ごう』
堀江貴文著 大石哲之監修
徳間書店/1,404円(税込み)
将来、「お金」はなくなる!?
副題は「仮想通貨と未来のお金の話」。バブル的な盛り上がりを見せる仮想通貨だが、その本質はなんなのか。「将来お金はなくなる」と主張する堀江貴文氏が、通貨の未来について語る。
「この本で語られているのは、『貨幣経済から信用経済に転換する』という未来。つまり、自分の信用度によって購買力が決まる世界がやってくる。今でさえ、UberやAirbnbではサービスの提供者と利用者がお互いを評価できる仕組みがあり、評価が低い人は次からサービスを利用できないし、してもらえない。堀江さんが語っている信用経済の未来を体感するには、この本を読んだうえで、ぜひこれらのサービスを利用してみることを勧めます」(土井氏)
『日本の極みプロジェクト』
秋元 司著
CCCメディアハウス/1,620円(税込み)
日本の文化を活かしたビジネスを
国土交通省の副大臣を務める著者が、世界の富裕層向けビジネスで日本経済を活性化させるための方策を提言。
「日本人は本当の金持ちを知らない。前都知事が海外出張で1泊15万円のホテルを利用して無駄遣いだと批判を浴びましたが、世界の富裕層は1泊100万円単位のホテルに泊まるのが普通です。中国、インド、東南アジアなど、これから金持ちになる国々が近くにあり、彼らに人気のある日本独自の文化があるのだから、今あるものを生かせば質の高いラグジュアリーサービスを提供できるはず。個人的には、金閣寺を1泊1億円で貸し出せばいいと思う(笑)。いずれにせよ、この本は『自分の会社でできる富裕層ビジネスはないか』を考えるヒントになるはずです」(土井氏)
更新:11月25日 00:05