2018年06月12日 公開
2023年03月14日 更新
「一流企業の面接に使われる」などの理由で、「フェルミ推定」という言葉を知っている人も多いだろう。人気数学塾塾長を務める永野裕之氏は、その意味を「だいたいの値を知るための方法」とし、ビジネスマンにとっても不可欠な能力だと指摘する。フェルミ推定の意味と具体的方法を教わった。
これからご紹介するフェルミ推定というのは、簡単に言ってしまえば「だいたいの値」を見積もる手法のことです。
「最適桁数(多くは1桁)」の数字を使ってさっと概算ができる能力はビジネスマンにとって非常に重要です。これができれば、周囲はあなたを「数字に強い人」だと評価してくれることでしょう。
「フェルミ推定」という言葉を聞いたことがある人は少なくないと思います。特に最近では Google やゴールドマン・サックスといった一流企業の就職試験の面接問題として、フェルミ推定の問題がよく出題されるため、注目を集めるようになりました。
実際多くの企業で、東京にはマンホールがいくつあるか?とか中国における紙おむつの市場規模はどれくらいであるか?とかボーイング747機にはゴルフボールがいくつ詰め込めるか?等といった問題が出されています。企業はこの種の問題を出題することによって、就職希望者の素早い判断力と現実世界の問題に対して「数字を作る能力」を測っているわけです。
しかし少なくとも私が学生だったおよそ20年前は「フェルミ推定」という言葉はありませんでした。「フェルミ推定」は、2004年に出版されたスティーヴン・ウェップ著『広い宇宙に地球人にしか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス』(青土社)の中で初めて使われたと言われています。
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「だいたいの値」を見積もる達人だったフェルミ >
更新:11月25日 00:05