2018年05月23日 公開
2023年03月16日 更新
行動に移せるよう「動作」に変換しましょう。正しいゴルフのスイングを身につけるように、ジムで効果的なトレーニング法を習うように、できるだけ「身体操作を介するカタチ」にして、名言の内容を実践していくのです。
そうすれば、自動車や自転車の運転のように、はじめは意識的にやっていても次第に無意識レベルで実践できるようになります。それこそがまさに、「名言が身についた状態」といえるのではないでしょうか。
それでは、今回のケースについて具体的なやり方を紹介します。はじめのうちはできるだけ毎日が良いのですが、夕方から夜にかけての時間帯に5分ほど時間を確保してください。併せて、1枚の紙と緑・青・赤3色のカラーペンを用意しましょう(ない場合は黒ペンで代用可)。
まずは、緑ペンで縦線・横線を引いて画像のように16個のフレームをつくってください。
続いて、一番左上のフレーム内に、「今日の日付」と「どんな1日?」と書きます。
あとは3分ほど時間を確保し、今度は青ペンで実際にあったこと・やったことを残りのフレームに埋めながら記入していってください。
ここまで終わったら赤ペンを取り出し、「前向きに捉えられるものは?」と紙に問いかけ該当するものを丸で囲っていってください。はたして何個囲えるでしょうか……。
やることは以上です。拍子抜けするくらいシンプルだったと思いますが、これで「ポジティブ思考」を行動に移せる「動作レベル」で実践することができます。
はじめのうちは、書き出したことの半分も丸で囲めないかもしれません。ですが、継続的に取り組むことで、1つ、また1つと囲めるものが増えてくるはずです。
もし、あまり変化を感じられないという場合は、ぜひ松下幸之助の一連の著作を読んでみてください。松下幸之助は「ポジティブフォーカスの達人」といえる人物です。幸之助の言葉に触れた直後にこのワークをやってもらえば、間違いなく普段とは異なる解釈や捉え方が見えてくるはずです。そうした日々の小さなビフォーアフターの積み重ねが、松下幸之助の思考回路を自身に馴染ませる具体的なアクションになってきます。
これまで、ビジネススキルを教える講師として7,000人以上の受講者の方々にお会いしてきましたが、この方法で「私はなんでもネガティブに捉えてしまうんです…」というお悩みを改善できたビジネスパーソンはたくさんいます。ぜひ気軽にトライしてみてください。
最後に。こうした方法を紹介した時、読者の感想は大きく2つに分かれます。一方は、「確かにこれなら実践できるな」と素直に捉え、淡々と行動にうつしてくれる人。もう一方は、変化から目を背ける人たちです。「くだらない」「こんな簡単なことで変わるわけがない」「自分には合わない」等々、感情的な言葉を並べて反発しますが、要するに「やらない」のです。
やってもいないのに、なぜ良し悪しが判断できるのでしょうか。なぜ他の人はこれで成功しているという事実があるのに、それを無視するのでしょうか。こうした矛盾にぜひ気づいてほしいですし、どうか変化することへの恐怖心や不安から逃げないでください。成長するために必要な行動から目を背けないでください。
名言集を読んで感動しているというのは、実は現実逃避をしているだけなのかもしれない。そのチェックポイントは、あなたが読後に成長し、成果を出し、現実を変えているかどうかです。
「器を広げる」タイプの著作ばかりを読んでいるビジネスパーソンが、今回の記事や私の著作を通じて、目を覚ましてくれることを切に願います。
『-超訳より超実践-「紙1枚!」松下幸之助』(PHP研究所)
更新:11月14日 00:05