2018年06月08日 公開
2023年01月30日 更新
資格試験合格など、具体的に差し迫った目標がある場合、どのように時間を確保し、効率的に勉強を進めるかがカギとなる。つい「時間がない」と言い訳してしまいがちだが、意外とスキマ時間を見落としていないだろうか。「まとまった時間はなくても、細切れの時間を集めればいい」と話すのは、医師で子育てもしながらハーバード公衆衛生大学院留学を叶えた吉田穂波氏。スキマ時間をフル活用した勉強法についてうかがった。《取材・構成=前田はるみ、写真撮影=まるやゆういち》
忙しいビジネスマンが、まとまった勉強時間を確保することは難しい。だが、5分くらいの時間なら、1日のあちこちに見つけられるのではないだろうか。ネットサーフィンに興じてしまう時間や、会議前の待ち時間……。これらのスキマ時間を集めて勉強時間に充て、仕事と育児、家事を両立させながら、半年でハーバード公衆衛生大学院への留学を成し遂げた人がいる。医師であり、現在、5児の母でもある吉田穂波氏だ。
「1日のうちで自分のためだけに使える時間はどこだろうと考えてみると、皆さんも意外に見つけられるのではないでしょうか。頭が自由に使える状態ならどこででも学べますので、通勤時間や家事の時間も、勉強時間に変わります。まとまって時間を取るより、むしろ短い時間のほうが集中力を高められるので、勉強の効率も上がるのです。5分もあれば問題集をサッと取り出し、何問か解くことができます。あるいは、最近覚えた単語を思い出したり、間違えた問題を反芻したりするだけでも、記憶の定着に効果があります」
勉強効率を上げるには、1日の勉強を「時間」ではなく「量」のノルマで決めるのがコツだという。
「たとえば、試験までに1冊の問題集をやり終えるため、毎日4ページずつ問題を解くとします。1日に使える時間は限られているので、その時間内で終わらせると決めて取り組みます。時間が足りずに駆け足になったとしても、とにかく最後まで解いてみることを優先します。
急いだために間違いだらけでも構いません。なぜなら、解けた問題よりも、中途半端に終わってしまった問題のほうが気になって、『答えを確かめたい』という思いに駆られるからです。すると、電車が到着するまでの1~2分や、エスカレーターが終わるまでの少しの時間も見逃さず、答えや解説を見直そうとするでしょう。不完全燃焼感があればあるほど、スキマ時間があちこちから顔を出すのです」
更新:11月22日 00:05