2018年05月25日 公開
2023年03月16日 更新
なお、この実験結果にモヤモヤ感を感じた方もいるかもしれませんので、この実験のメカニズムを簡潔に説明しておきますね。
興味がない方は読み飛ばしていただいても差し支えありません。
まず、デンプンの溶けた水にイソジンのうがい薬を入れて色が変わるメカニズムは、小学生のときに理科の実験でやるジャガイモとヨウ素液の反応とまったく同じです。
ジャガイモに含まれているデンプンとヨウ素がくっついて青紫色になるのですが、実はイソジンのうがい薬にはヨウ素が溶け込んでいるので、デンプンの溶けた水の色が変わるのです。
さらに、マッチを燃やすと二酸化硫黄という気体が発生します。これがデンプンとくっついているヨウ素と反応して、ヨウ素がなくなってしまうので色が消えてしまうというしくみです。
続いて、相手を食いつかせる2つ目の方法、「〝秘密〟を醸し出す」についてお話ししていきます。
「これまでずっと言わないようにしていたんだけど……」
こう言われたら、そのあとの話がどんな内容なのか気になってしまいませんか?
これは、その内容(情報)の稀少性を演出して期待感を高めているのです。〝秘密〟という稀少性のアピールで、必ず相手は耳を傾けます。
アメリカの社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニの名著『影響力の武器』(社会行動研究会訳 誠信書房)にも、「手に入りにくくなるとその機会がより貴重に思えてくる」といったことが述べられています。
つまり、〝秘密〟の演出というのは、その話の内容が手に入りにくいということをアピールしているのです。そして、誰でも「秘密を暴きたい」という気持ちがあるものです。
人は秘密を知りたい生き物なのです。その内容の稀少性を伝えるだけでワクワク感が生まれます。
「興味をひく」という目的においては、自分(話し手)が秘密をもっているということを匂わせるくらいがちょうどいいでしょう。
ですので、少し直接的に聴こえるかもしれませんが、次のようなフレーズを前置きに入れて説明を始めるのがいいかと思います。
「これまで誰にも話したことがないネタなんだけど……」
こういったフレーズを用いることで、相手は「あれ? もしかして、秘密のことが聴けるのかな?」―─そう思ってくれます。言葉には出さなくても、表情には確実に出ますね。
他にもさまざまな型があり、それについては著書『頭のいい説明は型で決まる』にて紹介しています。ぜひ、多くの型を身につけることで、わかりやすく伝える力を手にしていただければと思います。
更新:11月25日 00:05