2018年04月03日 公開
2023年03月23日 更新
組織コンサルタントとして、約30年にわたり大小の企業組織を見てきた秋山進氏。その中で、出世できる人・できない人、「仕事ができる」と言われる人・「パッとしない」と言われる人など、さまざまなビジネスパーソンを観察してきた。そして、働く人を8つのタイプに分類できることに気が付いた。その分類とタイプごとの得意不得意や相性をまとめたのが『職場の「やりづらい人」を動かす技術』(KADOKAWA)だが、そこには10年後に生き残れる人のヒントが隠されているという。
あなたの職場にこんな人はいないだろうか?
・自分の専門分野にはとても詳しく、頼もしいけれど、専門外となるといまひとつな人。
・目の前の課題を解決し、ゴールに向かってひた走るのは得意だけれど、大きなビジョンを語るような場では無口な人。
・「我々はこうあるべきだ」と、あるべき姿を描き語る力があるが、実務に落として実現するのは人任せな人。
自分自身があてはまる人もいれば、同僚の顔が浮かんだ人もいるだろう。
たくさんの人が集まり働く場には、必ずいろんなタイプがいる。
そして往々にして、人は自分と違うタイプ、合わないタイプの人を「アイツはデキない」と批判している。これは、どんな優良企業であっても見られる光景だ。
私は、組織コンサルタントとして多くの会社で経営陣から現場の社員まで観察する機会に恵まれてきたが、結論から言うと、基本的な人の能力自体にはそこまで大きな差はなく、人が人に下している評価もアテにならない、と考えている。なぜなら、「デキる・デキない論」の根底には、たいていどこかに「好き嫌い」が入り込んでいるからだ。
別の部署に移ったとたんダメになる人や、上司が替わっただけでものすごく伸びるチームがあるのもうなずける。
しかし、「好き・嫌い」「合う・合わない」を完全に排除して仕事をするのは、実質的に不可能だ。そこで、自分と違うタイプの人とでも「無駄に悩まずうまくやり、協働して成果を出す」ために、組織コンサルタントとしてできることはないかと考え、長年かけてまとめたのが「ビジネスパーソンの8分類」である。8つのタイプは下記のとおりだ。
1.想像力ゆたかな小説家
2.創意工夫の技能者
3.現実を見抜く観察者
4.頼りになる実務家
5.時代を感じる評論家
6.未来を創る革新者
7.正しさを求めるコンサルタント
8.実現を目指す政治家
冒頭の事例でいえば、「自分の専門分野にはとても詳しく頼もしいけれど、専門外となるといまひとつな人」は、「小説家」タイプや「実務家」タイプの可能性がある。
「目の前の課題を解決し、ゴールに向かってひた走るのは得意だけれど、大きなビジョンを語るような場では無口な人」は「技能者」タイプや「観察者」タイプかもしれない。
「『我々はこうあるべきだ』と、あるべき姿を描き語る力があるが、実務に落として実現するのは人任せな人」は、「コンサルタント」タイプや「評論家」タイプにありえる特徴だ。
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更新:12月04日 00:05