2018年04月03日 公開
2023年03月23日 更新
さて上記の8分類だが、そのうちの特定のタイプが将来有望で、あるタイプが10年後に厳しくなるといったものではない。どのタイプであっても十分に活躍できるともいえるし、没落する可能性があるともいえる。
実は、一番大事なのは、自分の特質を把握したうえで、別のタイプの人とも仕事を上手に進めていくことのできる「協働の能力」をもてるかどうかなのである。
10年後というと、ビジネス活動はさらにグローバル化し、職場も今まで以上に多国籍になって、ダイバーシティのレベルは各段に上がっているだろう。「ダイバーシティ&インクルージョン」などというとカッコよく聞こえるが、実際問題、バックグラウンドの違う人をまとめて組織的活動を実現するというのは大変なことである。
一方、爆発的なデータの蓄積とそこからの推論により、定型的な情報処理活動のかなりの部分はAIによって代行され、単機能で局所的な「専門家」と呼ばれる人の生き字引的な仕事はAIによる代替が進んでいることが想定される。あわせて多量の情報の解釈においては人間の直観的な洞察力の重要性も再認識されるだろう。実務家タイプやコンサルタントタイプは、通り一遍ないつものデータ解釈に陥っていないか特に気を付けておきたいところだ。
これらのことから予測されるのはまず、進む多様性によって人と人の協働の難易度が上がる+分野が限定されていて常に同じようなアウトプットが求められる業務は衰退するということ。かわりに、「高速で変化を続ける状況での創造的活動を、多様な人と組んで協働する能力」が重要視される、であろうということだ。
このように、可変性の高い環境のなかで創造的な協働活動を実現するには、さきほどの3軸を使うと、下記のような能力が必要になる。
すなわち、異なる視点、異なる思考、異なる行動を把握し、組み合わせて創造的活動を行っていくことが求められるのである(ここでハードルが高いと思われた方もいるかもしれないが、別の対応策もあるのでもう少しお付き合いいただきたい)。
さらには、組織全体としてはいろいろな要素(ユニークな人たち)を確保すること、そして、それらの要素を組み合わせて統合できるリーダーの存在も必要となる。
このとき、リーダーとなる存在は、上記のような多様な要素(人)を把握していること、具体的には、チームの誰がどのような要素を持っているかを知っていて、それらの組み合わせの妙を知っており、さらには利用方法(どうすると活躍するか)を熟知していることが必要である。そのためリーダーは、上記の要素のすべてを一定以上の高さで保有している「ハイブリッド」タイプであることが求められる。このようなリーダーが存在していれば、組織的な創造活動の実現可能性は飛躍的に上がる。
更新:12月04日 00:05