2018年04月03日 公開
2023年03月23日 更新
したがって、10年後、どんな人が重宝されるかといえば、①ミクロ―マクロ、事実論理―直観意味、WHAT-HOWのどこかの領域において抜きんでて優秀であり、かつ他者と上手に協働できる人か、②ミクロ―マクロ、事実論理―直観意味、WHAT-HOWのすべてが「一定以上」で、人の特質を見抜いて組織的統合をリードできるハイブリッドタイプか、であると思う。
誰もが②になれると良いと思うが、実際人には得手不得手があるし、②を目指すことで、その人の持つユニークさがなくなる可能性もある。そこで①のほうに親和性がある人は、徹底的にミクロの事象だけにこだわったり、直観から意味を生み出すことを意識して鍛えたり、会社で一番のHOWの権化になる、などしながら、他のタイプの力を巧みに借りて協働しようとするのが良い。自分は得意なことに集中しつつ、自分の弱いものは人に助けを求めるのだ。
そしてそのときには、あなたがこれまで「アイツは使えない」「やることなすこと意味不明」と思っていた「あの人」こそ、あなたの欠点を補う救世主となりえるのである。救世主は大げさだとしても、苦手なあの人の視点や思考を借りることで、あなた1人では出せなかった成果を出せる可能性が上がる。時代の変化も軽々と乗り越えていける。
そのために、まずは苦手なタイプと仕事をする機会をあえて増やし、相手と自分の「視野」「思考」「行動」の癖を把握し、その良さを引き出す訓練を今からしておくとよい。自分と相手の強み弱みを知ることこそが、未来を生き抜く力となる。新著では、どうやって自分のタイプを知り、どうやって他のタイプと組めばよいかを記した。参考にしていただければ幸いである。
秋山 進(あきやま・すすむ)
プリンシプル・コンサルティング・グループ代表
1963 年奈良県生まれ。京都大学経済学部卒業後、リクルートに入社し事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして活躍。現在は、経営リスク診断をベースに、組織構造設計などのプロフェッショナルが集まるプリンシプル・コンサルティング・グループを主宰し、代表取締役を務める。著書に『社長が“将来”役員にしたい人』(日本能率協会マネジメントセンター)、『「一体感」が会社を潰す』(PHP 研究所)などがある。
更新:12月04日 00:05