2018年02月08日 公開
2023年03月23日 更新
その結果、不調な個所が見つかったら、一度専門家に相談するのもいいでしょう。ただ、自分できる「セルフケア」の方法も知っておきましょう。
とりわけ、時間のない人にお勧めなのは「温熱法」。熱で刺激すれば交感神経が活発になり、白血球が増えることによって自浄作用が高まります。
痛みやだるさのある部分を直接温めるのが基本。ただ、足やひじなど、内臓から遠い部分をあえて温めることもあります。
それは体内の各所が「つながっている」から。背骨の内側には神経束が走っており、一つひとつの椎つい骨こつごとに枝分かれして筋肉や内臓と結びついています。だから、ある場所を温めることで、神経を通してつながった内臓をケアできるのです。たとえば、足首の温熱により腎臓系疾患やリウマチ、女性なら子宮もケアできます。
以上のような方法を知っていれば、内臓の疲れや不調をケアすることができますが、より良いのは、不調を未然に予防できる生活を送ることでしょう。そのコツは至ってシンプル。「内臓の要求」に従うことです。
たとえば、「空腹のときに食べ、お腹が減らない限り食べない」こと。世間ではよく「一日三食、決まった時間に食べる」ことが推奨されていますが、自然の欲求に合わせるのが一番なのです。
「食後三時間は、寝てはいけない」という説も迷信です。眠ければ食後であってもすぐに寝るのが得策。睡眠中でも胃腸はわずかに動きます。ただ、「寝苦しい」場合は食べ過ぎなので、食べる頻度や量を減らすべきでしょう。
最近の健康法は、「サプリや薬を摂取する」「休日に運動する」などといった足し算の発想が主流ですが、不必要なことはやらない「引き算」の発想を持てば、内臓は自然に機能を取り戻します。薬や病院にむやみに頼る前に、自分が持つ身体の回復力を活性化させましょう。
『THE21』2017年12月号
取材構成 林 加愛
更新:11月24日 00:05