2018年01月22日 公開
2018年01月25日 更新
従来にないビジネスを創出すること、それはすなわち「イノベーション」だ。岩崎氏も、日本が成長するための方策として、同じキーワードを挙げる。
「イノベーションは、多様性と自由から生まれます。よって日本の会社が成長するには、画一性から脱却し、違いを認める風土に変えなくてはいけない。日本人は、子供の頃から個性より団体を重視するよう教育され、『皆と同じがいい』という価値観を刷り込まれます。だから日本企業の経営者に外国人は少ないし、女性の役員も全体の3.4%しかいない。しかし、イノベーションに必要なのは、人とは違う発想。それが均一性の中から生まれることはありません」
しかも日本人は、「競争を好まず、リスクをとるのを嫌う」と岩崎氏は指摘する。米国ではアプリを使った配車サービスのウーバーなどが急成長し、サンフランシスコ最大のタクシー会社が破綻するという新陳代謝が起こったが、日本ではタクシー会社を守るため、一部の例外を除いて配車サービスの参入を認めていないのが象徴的な例だ。
「競争が少なく、規制が多い日本社会では、企業が合理的な経営をしなくてもなんとかやっていけてしまう。ただし規制に守られている限り、これ以上の伸びしろはない。今後伸びるとしたら、やはり海外へ打って出る業界や会社でしょう」(岩崎氏)
また、水野氏は、「業界の枠組み自体が、10年後にはすっかり変わっているだろう」と話す。
「今後はあらゆる業界や業種にテクノロジーが入り込み、産業の垣根を越えた融合が進むはず。いまやソフトバンクが電気を売る時代だし、すでに自動車や家電メーカーも半分IT企業みたいなもの。今ある業界が10年後もそのままのかたちで残っている可能性のほうが低いかもしれません」
では、こうした未来予測を踏まえたうえで、各業界が今後10年でどう変化していくのか詳しく見ていこう。
更新:11月24日 00:05