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英語を習得するには、「40代」こそがチャンスだ!

2018年03月15日 公開
2023年03月23日 更新

菊間ひろみ(イングリッシュ・トレーナー)

日本語に訳さずに英語の語順で理解する

次に2の多読です。英字新聞でもウェブサイトでも、英語ができればインターネットを通じて、世界中の情報が手に入る時代です。あなたが興味を持って毎日読めるジャンルを見つけ出し、ひたすら読みましょう。このとき、「音読」もセットで行なうとより効果的です。

わからない単語があるときは、すぐに辞書を引くのではなく、なるべく文脈から意味を推測してから辞書で意味を確認しましょう。「英英辞典」を使えればベストです。

これは、英語での実際のコミュニケーションに慣れるためです。英語でやりとりするとき、いちいち英語を日本語に訳していては時間がかかります。日本語と英語では、主語や述語などの語順がまったく違うからです。日本語に訳さずに英語の語順で意味を理解するトレーニングをしておくと良いと思います。

三つ目に、3の英語表現を覚えることです。これは、音読や多読をしながら出てきた表現を声に出して脳に覚えさせるということで、熟語集などを買って丸暗記をするということではありません。

そして、何度も音読して覚えたら、今度は単語を置き換えて、その表現を使い自分の言いたいたいことを伝える練習をしてみましょう。この三つを習慣化するのが、英語を身につける近道です。

 

ビジネスメールは「型」を学んで応用する

もう一つ、40代にお勧めなのは「型」から入る方法です。日本の伝統芸能には「守破離」という考え方があり、まず師匠に習った「型」を守ることが重視されます。英語も同様に、「型」から入るやり方が有効なのです。

たとえば、ビジネスメールの「型」。TOEICでもビジネスメールの文章がよく出題されますが、今のビジネスの現場ではメールでのやりとりが圧倒的に多い。その型を知れば、あとは単語を入れ替えるだけで、メールとして成立する文章を書くことができます。

このときも注意したいのが、「日本語で書いてから訳す」という手順にしないこと。たとえば、日本ではメールの最初に「お世話になっております」といった挨拶文を入れますが、これは英語圏にはない習慣。極めて日本語的な表現で、そのまま英訳するのは困難です。日本語を完璧に翻訳するという考えではなく、先述したように、まずはメールの型を覚え、それからメールでよく使われる言い回しや英語表現を習得し、あとは単語を置き換えていくことで、言いたいことを伝える文章が書けるようになるでしょう。

もう一つ、ビジネスに応用できる「型」の練習としてお勧めしたいのが、「疑問文で言う」練習です。一方的に先生の話を聞く授業に慣れているせいか、日本人は総じて、積極的に質問をしない傾向があります。そのため英語でも5W1Hの疑問文がすぐに出てこない人が多いのです。日本人にとって英語の語順はややこしく、疑問文はその語順が入れ替わるためよけい難しく感じるのかもしれません。

しかし、英語圏では、相手の話に対して「質問をしない」のは「興味がない」と解釈されがちです。相手に関心を持っていることを示すためにも、質問は重要。商談でもプレゼンでも、質問をする機会はたくさんあります。文型を覚える際には、肯定文だけでなく、疑問文を作って言う練習を意識的に行ってください。

 

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著者紹介

菊間ひろみ(きくま・ひろみ)

イングリッシュ・トレーナ―

茨城大学人文学部人文学科英文科卒業(英語学専攻)。ロータリー財団奨学生として米国ペンシルバニア州立大学の大学院でTESL(第二言語としての英語教授法)を学ぶ。現在は、〔株〕オーティーシーの主任コーディネーターとして、大手企業や大学向けのTOEICおよび英会話の研修をはじめ、TOEIC教材の開発を担当。著書に『英語を学ぶのは40歳からがいい』(幻冬舎新書)、『TOEICテスト総合対策 初めて~650点』(あさ出版)など多数。

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