2017年09月29日 公開
2023年07月03日 更新
本書『「思考」のすごい力』の著者は細胞生物学者。研究の結果、細胞には知性があることがわかった。一般には遺伝子が人間をコントロールしていると言われているが、実は細胞こそが意識や環境をコントロールしており、逆に我々が抱く思考もまた、細胞に強い影響を与える……。
本書については話し始めるとキリがありませんので、このくらいで(笑)。とにかく画期的な本です
ある意味、さらにとんでもない一冊がこの『あるヨギの自叙伝』。インドのヨギ(ヨガ行者)の自叙伝なのですが、現代の常識から言えば、はっきり言って常識外な内容。300歳まで生きる人の話とか、空中を飛ぶ人の話とか……。正直、「本当かいな」という内容です。
ただ、本書が私にとって忘れられないのは、本書を私に勧めてくれたのが、「アイボ」開発者として知られる元ソニー上席常務の土井利忠氏だったこと。「天外伺朗」というペンネームでの著作活動でも知られています。私は20代の頃、土井さんと直接接する機会を得たのですが、その際にいただいた読書リストにこの本があったのです。
ちなみにそのリストに載っていたのはいわゆる「スピリチュアル」と呼ばれる本ばかり。ただ、土井氏始め当時のソニーの人たちはこうした本を読み漁りながら、次々に斬新な製品を生み出し、急成長していったのも事実です。ちなみに本書はあのスティーブ・ジョブズが唯一、自分のiPad2にダウンロードしていた本としても有名です。
『マーケティング・マネジメント』と『コーポレート・ファイナンス』の2冊は、私がビジネススクールに留学していた時に読んだもので、MBAの必読書であるとともに、私にとってもやはり原点といえる本。その後もいろいろなマーケティング本を読みましたが、やはり自分のマーケティングの原点はコトラーであると感じます。
マーケティング戦略がわかっているからこそ、それをさまざまな分野、たとえばコピーライティングなどにも応用できますし、最新のマーケティングオートメーションなどを理解するためにも、やはり『マーケティング・マネジメント』の知識は非常に役立ちます。
一方、『コーポレート・ファイナンス』ですが、実は私はMBAではマーケティングではなくファイナンスを専攻していました。ただ、それがマーケティングの役に立っていないわけではなく、むしろ最新のマーケティングを理解するためには、数字の知識が不可欠です。
最後にご紹介する『パンツをはいたサル』は、実はこのリストを作るに当たって久しぶりに思い出した本なのですが、思い返してみれば、まさに私の原点を作ってくれた本だと再確認しました。何より、本質を見ることの重要性について目を開かせてくれた一冊。消費社会の原点はどこにあるのかを説く名著で、今読んでも十分に刺激的です。
栗本氏が専門とするのは「経済人類学」。今はやりの「行動経済学」に似ていますが、似て非なるものです。ちなみに、実は行動経済学は新しい概念のように思われていますが、その内容はマーケティングの世界ではすでに、100年前から言われていたことにすぎません。
それよりも私は栗本氏の「経済人類学」に魅力を感じます。経済現象を研究する文化人類学の一分野で、よりスケールの大きなもの。たとえば、「なぜ戦争は繰り返されるのか」「なぜ極右政権は生まれるのか」といったことを、経済学の視点も踏まえて解き明かしていくものです。ちなみに栗本氏はその研究から、トランプ政権の誕生を予見していたことでも知られています。
更新:11月22日 00:05