2017年11月27日 公開
2023年03月23日 更新
写真:photolibrary
資料作成においては、まず何よりその内容やレイアウトが大切だ。しかし、受け取った相手が同じような資料をいくつも抱えているとき、より目を引き、印象に残るよう差をつけるとすれば、どういったことができるのだろうか。「手書きで一筆添えること」を推奨するむらかみかずこさんにうかがった。《取材・構成=西澤まどか》
苦労して作ったビジネス文書や資料。できることなら、相手にきちんと見てもらい、判断してもらいたい……。上司に見せる企画書や稟議書ならばもちろん通したいし、社外に送るプレスリリースや資料ならば、たくさん反響があってほしいものです。そんなとき、気をつけたいのが資料の渡し方や送り方。いかに完璧な資料を作っても、それを送る封筒の宛名の文字が間違っていたら、相手に不信感を抱かせてしまいます。
宛名を間違えないのは最低限として、文書を見せる・送るときに相手に好印象を与えることはできるのでしょうか。それには、「手書きのひと言」を添えるのが効果的です。今の時代、資料はパソコンで作るものですし、コミュニケーションツールも電話やメール、社内チャットなどがほとんど。だからこそ、手書きのメッセージによって、相手に強く印象づけることができるのです。
すべての文書に手書きを添える必要はありませんが、目にとめて欲しいとき、より大事な資料として相手に認識して欲しいときなどは、手書きメッセージがあるとプラスアルファになります。
付箋をつけるだけでも良いのですが、より印象に残り、一歩進んだ好感度を与える方法として、「一筆箋」を使う方法もお勧めです。一筆箋であれば、短い文章でも様になり、たった2、3行のメッセージでも、付箋に比べて見栄えがして丁寧な印象を与えます。
一筆箋の書き方で大事なことは、たった三つ。「あいさつ・ねぎらいの言葉」「用件」「締めの言葉」を書くことです。
たとえば、翌朝の会議の資料を上司にチェックしてもらいたいときなら、「おつかれさまです。明日の会議の資料です。ご確認をお願いいたします」。これだけでいいのです。他にもねぎらう言葉として、「先ほどはありがとうございました」などお礼の言葉から始めると、ポジティブなメッセージになります。
このように、手書きのメッセージは、必ずポジティブな言葉から入りましょう。それがたとえ、上司に反対された企画を再度提出し認めてもらいたい場合などでも同様です。「先ほどは反対とのことでしたが……」などと書き出すのではなく、「先ほどはご意見ありがとうございました。改めて自分なりの考えをまとめてみました。ぜひご確認いただければ幸いです」というふうな書き方をすれば角が立たず、前向きに検討してもらえるでしょう。
社外に提出する書類にも、手書きのひと言は効果的です。この場合も一筆箋を使うのがお勧めですが、そうでなくても手書きのメッセージを添えることはできます。資料を郵送する際、あいさつや書類の内容について記した送付状を用意している人は多いでしょう。その送付状の余白にひと言、メッセージを書くのです。
余白に書く内容は、パソコンで打った文面と重なる言葉でも構いません。「いつもお世話になっております「いつもありがとうございます」「よろしくお願いします」このようなひと言でいいのです。受け取る相手に気持ちが伝われば良いので、難しく考える必要はありません。
一筆箋にはさまざまなものがありますが、送る相手が「喜ぶ」ものを考えましょう。たとえば、あまり親しくもないのにキャラクターものの一筆箋を送っても、相手が好んでいるとは限らず、逆効果にも。相手は、男性なのか女性なのか。若い方なのか、地位のある方なのか。よく考えて選択するべきでしょう。
さほど親しくない間柄ならマナーに則り、無難な選択を心がけましょう。無難な一筆箋とは何かというと、まずは、シンプルに無地のもの。また、誰にでも好まれるのは季節の絵柄です。たとえば今の時期なら秋ですから、紅葉、コスモス、栗などの秋の味覚の柄があります。また、四ツ葉のクローバー、招き猫、鶴亀、富士山など、縁起物の絵柄も誰にでも喜ばれます。
更新:11月25日 00:05