40代半ばにして記憶力のトレーニングに目覚めたことで、私の人生は大きく変わりました。意外な収穫だったのは、新しいアイデアを生み出す発想力も伸びたことです。記憶術は、数字や記号をイメージに置き換えていく、想像力をフルに使うトレーニングですから、対象からイメージを膨らませて新しいアイデアにつなげていく脳の回路が強化されるのです。
さらには、自分自身への自信が高まったことも挙げられます。大会では、2、30代の選手を破り、40代半ばにして日本チャンピオンになりました。これは「脳は何歳からでも鍛えることができる」ことの何よりの証拠。年齢を理由に、自分の可能性に制限をする理由はどこにもありません。人間の記憶脳は使い方次第で、どこまでも伸びる無限の可能性があるのです。
≪取材・構成:麻生泰子≫
≪『THE21』2017年7月号より≫
更新:11月28日 00:05