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6タイプ別「損する話し方」克服ガイド<前編>

2017年04月24日 公開
2023年04月06日 更新

西任暁子(U.B.U.[株]代表取締役)、森下裕道(パーソナルモチベーター)

 

②「理屈っぽくなってしまう」人

「理論一辺倒」の人は上から目線の印象に

「効率性の低さが憂慮される。時間当たりの生産性を高めなくては、競争力低下は免れない」

 ──たとえば、こんな言い方をしても、周囲が翌日から効率良く動くことはないだろう。このように、理屈っぽくなってしまう人の言葉は「正しいが、伝わらない」のが特徴だ。

「このタイプは、話が『理論』に終始しがちです。具体例は相手の理解を助ける大きな力になります。ですから、たとえばどんな行動が非効率的なのか、また、自分が効率性に気づいたエピソードなどの具体的な事例なしに、エッセンスだけを抜き出した抽象論だけを話すと、聞いている人はイメージが浮かびづらく、身近な問題として実感しづらいものです。

 どんなに論理的で正しいことを言っても、相手に理解してもらえなければ伝わったことにはなりません」(西任氏)

 さらに、西任氏は、「自分がすでに経験し、理解したプロセスは過去のことなので、わざわざ言うのは面倒に感じ、具体例を省いてしまうのです」とも言う。

 森下氏も、「論理一辺倒」の危うさを指摘する。

「このタイプの人が使う用語は、たいてい難しい漢語やカタカナ言葉。専門用語や業界特有の言い回しも多いでしょう。それが周囲には『上から目線』と映ります。加えて、理論=正しさでねじ伏せようとする傾向もありますね。それは、かえって相手の反発心を呼び起こします」(森下氏)

 つまり、言葉の上でも態度の上でも、「周囲への思いやり」に欠けていることが、最大の問題と言える。

「周囲には、経験の浅い人や知識を積んでいない人もいるはず。そうした一人ひとりに合わせた言葉を選ぼう、という姿勢がまずは必要です。このような話し方を続けていると、『頭は良いが、人望に欠ける』という低評価にもつながりかねません」(森下氏)

具体例やたとえ話でイメージを共有しよう

 まず打つべき手は、「具体例を交える」話し方を覚えることだ。とくに、相手に「こうなってほしい」というゴールがあるときは、その結論を話すとともに、そこに至る道のり=手立てを話すことが有効となる。

「自分自身の経験や、人から聞いた体験談、もしくは『たとえ話』を入れつつ話すのが良い方法です。コツは、視覚的イメージが浮かぶように話すこと。『たとえば僕の場合、こういうフォーマットに記入して共有することで時間を短縮できたよ』などと、図などを描いて見せるのもいいですね」(西任氏)

 加えて、相手を信頼している態度を示すことも大切だ。

「最初に『いつも丁寧に仕事してくれてありがとう』など、相手を褒めてから話すと印象が良くなります。話す直前だけでなく、普段からそうしたコミュニケーションをこまめに取ると、さらに良いですね。相手の気持ちに寄り添うことで、結果的に自分のしてほしいことに導くのが、真の意味での賢い方法と言えるでしょう」(森下氏)

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