いくら言っても思ったように成長せず、強く言えば「パワハラ」と非難される。部下指導に悩む上司は多い。せっかく育成する気持ちがあっても、話し方が間違っているために、その気持ちをムダにしてしまっているのだ。適切な部下との話し方を、人材コンサルタントの吉田幸弘氏に伝授していただいた。
研修などを通して、部下指導に悩む数多くの上司の方々に接してきました。そうした方々に共通するのは、部下の悪い面ばかりを見がちだということです。そもそも、人間の思考はネガティブに傾きやすい。他の人の短所は長所の5倍も目につくとも言われています。そのために、上司はつい部下に対して文句を言ってしまい、ほめることは少なくなりがちです。すると、部下のやる気が落ちて、ますます成長が鈍くなります。
ですから、まずは意識的に部下の長所を探す姿勢を持ちましょう。「短所も裏を返せば長所だ」「結果に結びついていないが、可能性はある」などと、ポジティブな見方をするのです。
感情に振り回されないことも大切です。感情にとらわれると事実関係で見落としてしまうことも増えますし、部下を萎縮させたり、反発を招いたりすることになります。
まず、部下に伝えたいことを整理して、感情を平静にしてから話すことを、常に心がけましょう。
更新:11月21日 00:05